相談事例

削除方法

相談内容(2012年6月・学校職員・青少年女子)

ある掲示板で、女子生徒が、本人は書いていないのに本人の名前で学校の他の生徒を中傷する書き込みが見つかった。保護者が掲示板管理人へ削除依頼をした。次に、学校、教育委員会、自治体からも削除依頼をしたが削除されていないため、掲示板サービスの運営会社に削除依頼をしようと考えている。どのように依頼するのが最も早く削除されるか教えてほしい。

アドバイス

掲示板の管理人と運営会社への削除依頼の手順と問い合わせフォームのURLを案内した。削除依頼の際には、削除したいページの場所と理由を運営側が少しでも早く判断できるように、依頼の文面を工夫することを勧めた。

ポイント

無料の掲示板を使った、いわゆる学校裏サイトでの削除依頼の事例。削除依頼をするときには、管理人または運営会社に、削除してほしいURLと書き込み番号を具体的に伝えて、判断・対応しやすいように工夫するとよい。しかし、誹謗中傷と発言の自由の境目の判断は難しく、必ずしも依頼者の希望通りにはならないのが現状である。書き込んだ側も、一時的な愚痴や悪ふざけが、何年も削除されずに後悔するというケースも多い。ルールとマナーを守らない行為が、加害者にも被害者にもなり得ることを、青少年にはしっかりと指導すべきである。

相談内容(2012年5月・青少年女子)

掲示板に自宅で撮った画像を載せたら、Exif情報(撮影時のデータ)が漏れていると指摘された。本当にExif情報が漏れているのかがわからなくて不安。もし漏れていて住所が特定されたらどうすれば良いか?掲示板のスレッド自体を消したいがやり方がわからない。

アドバイス

Exif情報はGPS機能をもったデジタルカメラや携帯電話で撮影した画像に埋め込まれ、緯度経度データも含まれる。スレッドの削除については、まず掲示板の削除ガイドラインを読んでほしい。削除依頼は原則として公開されるため、スレッドをさらに刺激してしまう場合もあることを十分に意識する必要がある。また、流出したExif情報は取り返せないので、画像は削除されていることから、このまま静観するのがベストな選択肢だと思われる。住所が分かるかどうかについては確認できないため、画像の位置情報がどの場所を示すか自身で確かめてみると良い。今回の経験を踏まえて、GPS機能があるデジタルカメラや携帯電話の特徴を学ぶ大変良い機会になったと思う。便利な反面、公開したくない緯度経度情報も合わせ持つことを、今後は十分に意識して使ってほしい。

ポイント

「Exif情報が漏れている」の真偽は分からないが、それにより相談者が不安を感じている様子が伺える。ブログ、掲示板、SNSに何気なく掲載するコンテンツにも、さまざまなデータが埋め込まれていることを改めて認識しておきたい。無用な不安を抱えないためにも、自分が使用する機器やサービスの特徴をきちんと知った上で利用できることが望ましい。今回の経験が正しい知識を学ぶきっかけになるとよい。

相談内容(2012年4月・保護者・青少年女子)

子供の学校の友達がブログに実名で数人の悪口を書いている。学校名や住んでいる場所も書かれているので個人が確実に特定される情報である。書いている本人に削除依頼をするのではなく、別の方法で削除してもらうことはできないだろうか。相手には誰が削除依頼をしたのかわからない方法がよい。

アドバイス

未成年であるならば、ルールやマナーの問題も大いに絡んでくるので本人に書いてはいけないことを教えてあげるのがベストだが、ブログの運営側に「利用規約違反」を通報できるので、それを利用すると良いのではとアドバイス。しかし、誰からの通報であるか、書いている本人に伝わるのかは運営によって異なると思われるので、先に、匿名が保たれた通報なのかを運営側に確認すると良いと伝えた。

ポイント

他人の悪口を書くことはマナー違反であるというネットの基本を守らない、あるいは知らないまま子供が掲示板やブログを利用するのは危険なことであり、本人にはルールとマナーをしっかりと学んでもらう必要がある。しかし、本人や保護者に直接注意をすることでトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあり、削除依頼には慎重を要することも事実である。今回の相談のように、自身のことを知られずに書き込みの削除を依頼するには、ブログや掲示板サービスに、匿名を保った状態で削除依頼や通報ができる方法があるか探すとよいだろう。

相談内容(2012年3月・保護者・青少年女子)

芸能人のブログに初めてコメントを投稿してみた。その芸能人だけに伝わる手紙だと思っていたが、ブログに投稿されてしまった。自分の名前も入れてしまったので消したい。コメントの内容は芸能人を応援するメッセージ。どうしたら消すことができるのか。

アドバイス

ブログに投稿したコメントは、自分では編集したり削除することはできないため、ブログ作成者に削除依頼をする。ブログ作成者の問い合わせ先があれば、その連絡先へ依頼し、連絡先がない場合は、ブログサービスを提供している運営会社の問い合わせフォームより依頼するとよい。

ポイント

このトラブルの原因は、インターネットの基本的なルールとマナーのほかに、ブログサービスの仕組み(メッセージの公開/非公開、削除方法など)を知らない青少年が、ひとりだけで書き込みをしたことにある。インターネットを安心・安全に利用できるようになるまでは、このような書き込みトラブルを防ぐためにも、保護者と一緒に利用するべきであろう。

相談内容(2011年11月・青少年女子)

ある掲示板に以前書き込んだ内容を削除したいと思った。内容はダイエットや自分の体形について質問を投げた記憶がある。そこに書いたことは学校・家の誰も知らないのだが、どうしても消したくなって掲示板の管理者にお願いしたが対応してもらっていない。そこでサイトに問い合わせて削除方法を聞いた。しかし個人情報が公開されているものでもないため、削除依頼するほどのことではないと感じている。でもやはり書いたことが気になってしかたない。

アドバイス

書き込みが原因で周囲の人から批判を受けたり、困っている状況に相談者が置かれていないことを確認。じっくり時間をかけて、過去に書いた内容を憂えるのではなく、勉強など大切なことが他にあるのでは?と問いかけ、現在トラブルになっているのではないのだから気持ちを切り替えて、これから安易な書き込みはしない、また周囲のお友達がその状況にあれば「この書き込みは大丈夫なの?」等と注意を促すなど、前向きに考えてみてはどうか。

ポイント

掲示板に書き込む行為は、その時には安易な気持ちから行ったことだとしても、後になって取り返しがつかない事態を招いたり、精神的な重荷に自分自身が耐えなければならない状況となることを教えてくれる事例。掲示板利用時に気をつけるべき点を、より確実に子供たちに伝える必要性を痛感した。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。