相談事例

取引トラブル

相談内容(2023年11月・保護者・青少年男子)

息子のスマートフォンを見て、インターネット上の知らない人とゲームアカウントの売買をしていることがわかった。スマートフォンにキャッシュレス決済アプリを入れたようで、残高が入っていた。メッセージアプリには取引相手とのやり取りや、自分の身分証明書の画像を送った履歴も残っていた。止めさせたいがどうしたら良いか。

アドバイス

大抵のゲームではアカウントの売買を禁止行為としている。また、他人のIDやパスワードを入手してアカウントを利用した場合には、不正アクセス禁止法に触れる場合もある。小遣い目的でお互い同意のうえで取引が成立したとしても、ゲームの利用規約に沿ってアカウントを凍結される可能性などもあり、危険な行為だということを話し合えると良い。今回の出来事をきっかけに、あらためてスマートフォンを使う目的を確認し、親子でルールを話し合うこと、ルールを守りやすくするために機能制限(ペアレンタルコントロール)を利用することも検討すると良いだろう。

ポイント

ゲームやSNSなどの「アカウント」は、運営会社から提供されているものなので、売買や譲渡をすることは規約違反となる可能性がある。規約違反をしてしまうと、トラブルに巻き込まれても救済されない可能性も十分にあるため、正規の手続きを取らない行為はやってはいけないことだと理解してほしい。スマートフォンのキャッシュレス決済が一般的になり、お金のやり取りも手軽になってきているが、信頼できる相手かどうかわからない人との取引は避けるべきだろう。

相談内容(2023年8月・青少年女子)

誰でも参加できるチャットグループでグッズ交換のトークルームに入り、知り合った人からグッズを買ってほしいと言われた。別のSNSで個別にやり取りを進めて現金を送ったが、相手からグッズが届かない。お金を返してほしい。

アドバイス

お金を返してもらうためにも、取引時の画面、やり取りの内容、お金の送付先の情報などを持って保護者と一緒に警察へ相談することを勧める。ほかにも、相手のSNSのアカウントがまだ残っているようであれば、相手に対してできることもあるかもしれないので相手に関する情報も整理しておくと良い。アカウントがなくなっている場合でも、思い出せる情報を書き出しておくと良い。一人で解決しようとせずに、社会経験のある保護者や信用できる大人の力を借りることが解決への近道だと考えてほしい。

ポイント

インターネットの向こう側にいる人がどこの誰なのか本当のことはわからず、グッズ交換のように青少年が集まりやすい場所では、未熟な青少年を狙っている人もいるかもしれないので注意してほしい。個人同士のトラブルにはサイト側の支援が得られず、自己責任で解決しなければいけないことも多い。大人でもトラブルになってしまうのがインターネット上の個人同士の取引であることを理解し、欲しいものが見つかったとしても安易に取引に応じるのは避けたほうが良い。

相談内容(2023年5月・保護者・青少年女子)

娘がSNSで作品を売っている人を見つけ、友達を通して売ってもらう約束をして勝手にお金を前払いしていた。娘のSNSを見ると、支払いや届く予定についてメッセージのやり取りをしていた。相手とは面識がなく、SNSのプロフィール情報しかわからない。これからどんなトラブルが想定されるのか、対処法や予防策を知りたい。

アドバイス

SNSの相手がどんな人なのかプロフィールや投稿だけでは判断が難しい。相手が約束を守る保証はなく、販売サイトを通さない個人同士の取引では、トラブルがあっても自己責任になってしまうとともに、相手に伝えた個人情報がどのように使われるのかも相手次第になってしまう。現時点でできることは、相手に関する情報、やり取りの履歴、お金を支払った証拠などを消さずに保存しておくこと、必要のない個人情報はこれ以上安易に教えないことである。相手が約束を守ってトラブルがなかったとしても、たまたまうまくいったと考えて、この機会により安全な利用について家族で話し合えると良い。

ポイント

SNSを通じて個人から何かを買う場合の一番のリスクは、相手が信頼できる人かを見極めるのが難しい点だろう。お金を支払ったあとで相手と連絡が取れないままあきらめなくてはいけなくなる可能性や、名前や連絡先を教えることで不安やトラブルの原因になることもある。個人の作品など欲しいものに出会えるのはSNSの楽しい一面であるが、正式な販売サイトから購入する場合との違いを安全の面から親子でしっかり理解しておくことが大事である。

相談内容(2022年11月・保護者・青少年女子)

娘がコンサートチケットを購入したが、行けなくなったのでSNSで買い手を募集した。すると、欲しいという人が現れたので、相手にダイレクトメッセージで振込先の口座番号を教え、入金してもらう約束をした。相手の身元は免許証の画像が送られてきたので確認し、娘から先に電子チケットのデータを渡した。しかし約束の日になっても振り込まれていなかった。SNSはブロックされ、メッセージも届かなくなってしまった。

アドバイス

相手にSNSをブロックされていることから、連絡手段は限られているかもしれないが、代金の回収に向けて相手への催促を続けることを勧める。対応に迷うようであれば弁護士へ相談するのが良いかもしれない。あるいは市区町村で実施されている無料法律相談なども利用して、相手との話し合いや催促のための書類の送付方法などを相談すると良いだろう。

ポイント

SNSを通じて個人同士で簡単に取引ができるが、リスクも多いことを理解してほしい。また、コンサートチケットの場合は、主催者が定める以外の手段での転売を禁止していることがあり、売ることも買うことも規約違反となる可能性があるので注意しなければならない。転売が認められている場合でも、インターネット上の取引相手が約束を守る保証はなく、トラブルがあっても自己責任になってしまう。この機会に安全な利用について家族で話し合えると良い。

相談内容(2022年9月・保護者・青少年女子)

娘が掲示板で知り合った人とグッズ交換をすることになった。メッセージアプリの連絡先を交換し、送り先の住所を教え合って送ったが、相手からのグッズが届かない。催促もしているが進展がない。グッズを持っていないなら、こちらから送ったグッズ相当のお金を返してほしいことも伝えている。今後どうすればいいか。

アドバイス

インターネット上で知り合った相手であっても、取引をしたのは個人間のやり取りであるため、サイトの運営会社などが関与して解決することが困難な問題である。相手と連絡が取れているのであれば、引き続き催促をして解決していくことになる。対応が難しいようであれば、弁護士へ相談するのが良いかもしれない。まずは市区町村で実施されている無料法律相談などを利用してみることを勧める。相手との話し合いや催促のための書類の送付などについて教えてもらうと良いだろう。

ポイント

同じ趣味を持つ人同士が集まる掲示板やコミュニティサイトでは、グッズ交換の対話も活発に行われている。欲しかったものを入手できる貴重な機会になっているが、注意してほしいのは、取引相手が信頼できる人かを見極めるのはとても難しいということである。相手の名前や住所などの本人確認ができていたとしても、インターネット上だけの関係では約束が守られなかったときに解決が困難になることも多い。個人間の取引は自己責任であることを念頭に入れて、欲しいものが見つかったとしても安易に応じるのは避けたほうが良い。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。