相談事例
ネットいじめ
相談内容(2024年6月・青少年男子)
自分が作って管理している匿名のチャットグループで誹謗中傷されている。チャットグループは誰でも参加できるように設定しているので、相手が誰かはわからない。夜寝ている間に自分の悪口や誹謗中傷の画像が投稿されていた。
アドバイス
管理者として、不適切な言葉や画像を削除することができる。誹謗中傷の内容によっては法的に解決する選択肢もあるため、証拠を残しておきたい場合は、投稿された日時がはっきりわかる状態でスクリーンショットを撮り保存しておくと良いだろう。チャットグループは参加者が自由に発言できる点が良いところだが、チャットグループの目的と異なる使い方をされることもあるため、ルールを作り、参加者にわかりやすい場所に示しておくことを勧める。
ポイント
匿名のチャットグループは気軽にコミュニケーションを楽しめる場所だが、快適な環境を維持するためには参加者がお互いに努力してルールとマナーを守る必要がある。嫌がらせや誹謗中傷は許されないことを理解し、そのような行為を見つけたら、運営会社へ違反報告をすることが適切な対処法の1つである。自分が管理者の場合は、日頃からルールをはっきりとわかるように参加者に示し、違反行為に対してはグループからの削除など毅然として対処することも有効である。
相談内容(2024年2月・保護者・青少年男子)
オンラインゲーム仲間が集まる匿名のチャットグループがあり、子供がグループのルールを知らずに参加してしまった。そのことでチャット内で責められ、ゲームコインを払えと要求され、払わないとゲーム会社に通報すると言われている。謝罪をしたのに許してもらえず困っている。
アドバイス
チャットグループのルールについては再度確認をしてほしいが、インターネット上であっても常識、非常識の考え方は現実の世界と同じであり、過剰な要求をすることもまたルールやマナーに反する行為である。謝罪をしたのに通じない相手とはこれ以上関わらないこと、グループから退会することを勧める。念のため、これまでの経緯や相手の発言などをスクリーンショットに保存しておくと良いだろう。ゲームによっては大人やさまざまな年齢層の利用者が集まるため、年齢に適した安全に遊べるゲームを選ぶことも勧める。
ポイント
チャットグループのように、ゲームや趣味など共通のテーマがある場所においても、集まる人の年齢、性別、性格はさまざま異なる。言葉だけの会話ではお互いに顔が見えないため、些細なことがきっかけで個人への攻撃につながり、エスカレートしやすい。匿名であっても他人を傷つける行為はルール違反だが、相手の言動を規制することもインターネット上では難しいため、相手との冷静なコミュニケーションが成り立たないと感じたときには、その場所を離れることが安全な対処である。
相談内容(2023年10月・青少年男子)
SNSの自分のアカウントに投稿をしていたら、知らない人に嫌なコメントをされた。誰でも見られる設定になっていたが、そのような設定があることを知らずに投稿していた。自分が投稿しているから悪いのだと思うが、どうしたら良いか。
アドバイス
基本的には、悪質なコメントは削除し、相手をブロックする、コメント機能を制限するといった対処が考えられる。SNSなどほとんどのサービスには「利用規約」があり、サービスを楽しく安全に使うためのルールが決めらているため、自分や相手の使い方について規約違反がないか見直すことも勧める。もしもコメントの内容が規約違反にあたるようであれば、SNSの通報機能などで運営会社に報告することも対処法の1つである。
ポイント
校則や交通ルールと同じように、SNSにも守らなければいけないルールがあるが、残念ながらルールを守っていない人に出会ってしまうこともある。そのようなときに顔の見えない相手に反論をしたり、嫌な言葉で言い返したりすると相手を刺激してトラブルが悪化することもあるため、自分自身は常に冷静でいることが大切である。SNSを安全に使うことは大人でも簡単ではなく、青少年の場合は保護者の同意が必要なものもあるので、利用規約では年齢制限についても確認しておくと良い。
相談内容(2023年5月・青少年女子)
誰かが自分の写真と名前をSNSアカウントに使っており、プロフィールにも個人情報が書かれている。投稿内容は友達の悪口だった。誰が作ったのか心当たりがなくとても怖い。
アドバイス
本人の許可なく顔写真や名前を使って本人のふりをするアカウントは「なりすまし」である。SNSでは通常、なりすまし行為は規約によって禁止されているため、運営会社へ削除依頼をすることができる。詳しくはSNSのヘルプページを参考にしてほしい。なお、削除依頼のときに本人確認のための証明書などを送信するように求められることもあるため、保護者にも手伝ってもらうことを勧める。また、今後この証拠が必要になるかもしれないので、現在の投稿内容やアカウント名などのスクリーンショットを撮り、保存しておくと良い。
ポイント
インターネット上では誰でも簡単に他人の写真や情報を使ってなりすますことができる。相手が誰なのかや目的もわからないことが多く完全に防ぐことも難しいが、予防のためにできることは、個人がわかるような写真や情報をインターネット上に気軽に載せないことだろう。なりすましによってインターネット上だけでなく学校生活や友達関係にも影響が及ぶケースもある。被害にあったときには、自分のアカウントではないことを証明してもらえるように、保護者や学校の先生など大人に相談して協力してもらってほしい。
相談内容(2023年2月・保護者・青少年女子)
娘のSNSアカウントにダイレクトメッセージ(DM)を通じて暴言が届くようになった。DMには学校の友達の名前も出されているので知り合いだと思われる。個人情報を拡散するとか、生活を脅かすなどが書かれている。
アドバイス
SNSの運営側への通報や、ブロック機能を使うことが1つの方法だが、SNSのアカウントは複数作ることができるため、相手がアカウントを変えてメッセージを送信してくる可能性もある。少しでも身の危険を感じるようであれば警察への相談も検討すると良いだろう。受け取ったメッセージは消さずに保存しておくことを勧める。学校生活や友達関係で気になることがあれば、先生やスクールカウンセラーなどにも相談しておくと良い。
ポイント
SNSのアカウントだけから相手を特定することは難しく、ブロックをしても別のアカウントを使って攻撃されたり、つながっている友達も巻き込まれてしまうなど、相手の行動を制止することも難しい。しかし、インターネット上は匿名ではないため、「発信者情報開示請求」という法的な手続きを踏むことで相手を特定できるケースもあるので、インターネットを使った嫌がらせに対しては、証拠になりそうな情報やメッセージは消さずにスクリーンショットに残しておくことが大事である。また、インターネット上の出来事であっても実生活に不安があれば、迷わずに警察へ相談してほしい。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。