相談事例
有害情報
相談内容(2023年3月・保護者・青少年男子)
子供がタブレットでキッズ向けの動画アプリを利用しているが、見ていた動画を確認すると、子供にはふさわしくない不適切な表現を含む映像だった。アプリ内の検索で表示された動画の関連動画として表示されていたようだ。アプリを削除し、もう見ないことを子供と約束したが、日常の遊びや会話などにも影響が出ているのではないかと心配になっている。
アドバイス
不適切な動画は運営側が削除の対応をしていると思われるが、完全に除外することが難しい。このため、端末側でできる対策をとることを勧める。たとえば、動画の検索機能をオフにしておくと、子供自身が検索して動画を見つけてしまうのを防ぎ、保護者が許可した動画のみを表示させることができる。大人が気づいたときには運営側へ不適切動画として報告することも有効である。
ポイント
子供に人気のアニメキャラクターと見せかけて、実際には子供にとって有害な内容の動画が投稿されていた事例である。こうした動画はフィルタリングを利用していても完全に防げるとは限らないため、特に低年齢の子供には注意が必要である。子供向け動画であっても保護者が一緒に閲覧することが望ましい。子供が知らないうちに有害な動画を視聴してしまっていたら、閲覧履歴や検索履歴を削除して、同じ動画や関連動画を表示させない対策をとると良い。
相談内容(2022年8月・青少年性別不明)
動画サイトで不適切な行為をしている投稿者を見つけた。特定の人になりすました投稿をしたり、差別用語を使っている。特定の人たちの人権を無視するような行為、人を傷つける内容の投稿もしている。
アドバイス
差別的な投稿はやってはいけない行為であり、不適切だと思われた投稿については、それぞれのサイトの報告機能を利用して、運営側へ報告するのが良いだろう。報告を受けた運営側は、それぞれその投稿について利用規約に沿って違反かどうかを判断をして対処することになる。報告をしたとしても、判断をするのは運営側であるため、残念ながら希望通りの結果にならないケースもあると考えてほしい。
ポイント
インターネットを見ていると、不快な内容の動画や画像に意図せず出会ってしまうことも多い。匿名性を利用して、面白半分で不適切なコンテンツを載せる人も多い。残念なことだがそうした行為を止めることがとても難しい場合がある。サイト側も載せてはいけない情報のガイドラインを定めているが、対応については運営側の判断を受け入れざるを得ない場合もある。動画を見て嫌な気持ちになったり、不安を感じることがあれば、動画をブロックしたり、非表示にしたり、見ないようにすることが自身でできる対処法であり、それが自分を守ることに繋がると考えてほしい。
相談内容(2022年4月・青少年女子)
SNSや動画サイトのコメント欄に、地震予知や災害が起こるというような書き込みがたくさん掲載されている。自分でも災害情報を検索してしまい、そうした情報を見て不安になってしまう。
アドバイス
インターネット上には正しい情報も嘘の情報も存在している。嘘の情報に振り回されないためには、官公庁の資料や研究論文などから裏付けのある情報を入手することも必要かもしれない。SNSにはデマも流れてきやすいため、フォローしている人やフォロワーを見直してみることも、情報を正しく取捨選択するために大切なことである。
ポイント
SNSを利用するときに気を付けたいことの1つは、興味や関心事が似たような人がフォロー/フォロワーとなることで、受け取る情報が偏りがちになることである。また、インターネット検索を繰り返すことで、自分の思考に近い情報やコメントばかりが優先的に表示される現象も起こりやすい。こうしたインターネットの特性を理解し、不安をあおるような情報をうのみにせずに、その情報の出所はどこなのかを冷静に考えられると良い。不安になったらインターネット以外の情報に接したり、身近にいる信頼できる大人の意見を聞くことも大切にしてほしい。
相談内容(2022年3月・保護者・青少年女子)
子供が家族共有のタブレットでアダルトサイトを見ていた履歴が残っていた。子供に聞くと、友達に面白いからと教えてもらったそうである。タブレットは回線契約がなく、フィルタリングを利用していなかった。子供が家で一人で過ごす時間があったため、そのときにアダルトサイトを見ていたようだ。どうしたら良いのか。
アドバイス
性への興味は成長の一過程ととらえることができるものの、インターネット上のアダルトサイトは青少年の健全な成長にふさわしくないコンテンツであり、性教育とはかけ離れた内容だと言える。また、アダルトサイトでは架空請求トラブルも多く起きており、アクセスするのは危険であることも保護者として伝えてほしい。このようなアダルトサイトをはじめ有害サイトへのアクセスを防ぐために、フィルタリングを利用することを勧める。
ポイント
子供が不適切なサイトを見ていたときに保護者にとってほしい対策は、1つは見て良いサイト、見てほしくないサイトを家庭でよく話し合うことである。特にアダルトサイトのような成人向けサイトには年齢制限もあり、年齢を偽って見ることは利用規約違反にもつながることを青少年には理解してほしい。もう1つは、フィルタリングやペアレンタルコントロールを利用して有害サイトをブロックすることである。機械的な対策と家族の対話によって子供のインターネット利用を見守ることが理想である。
相談内容(2021年6月・青少年男子)
過去に交際相手と別れて淋しくなり、年齢を18歳以上と偽って出会い系アプリを利用しようとしたことがある。アプリには携帯電話番号を登録したが、実際には利用しないままアプリを削除した。その後、何も起きていないが、出会い系アプリの危険性の話を聞いて不安になった。
アドバイス
年齢を偽って利用したのは安易な行動だったかもしれない。出会い系アプリから不適切なページに誘導されたり、お金を不当に請求されるトラブルも多い。電話番号を登録したことから、今後知らない電話番号から着信やメッセージが届くかもしれないが、届いたとしても無視することを勧める。
ポイント
一般的には、出会い系アプリはフィルタリングを利用していればブロックされるため、年齢に応じたフィルタリングを利用して防いでほしい。たとえブロックされなかったとしても、18歳未満の青少年が出会い系アプリを利用することは法律で禁止されていることを理解してほしい。法律を守る運営がされている出会い系アプリであれば身分証明書の提示が求められる。そのような手続きを踏むことなく、自己申告だけで登録できたとしたら、法律を守った運営がされておらず危険だと考えてほしい。また、青少年であっても書き込んだ内容によっては処罰の対象となるので、出会い系サイト(アプリ)の利用はしないことを徹底してほしい。
相談内容(2020年7月・青少年男子)
動画共有アプリの中身を見るためのパスワードがインターネット上に公開されていたので、中身を知らずにダウンロードしたら児童ポルノと思われる動画だった。違法だと気づいてすぐに消去したが、不安でどうしたら良いか。
アドバイス
18歳未満の裸や下着姿の画像や動画は児童ポルノと呼ばれ、法律では所持、提供、製造、運搬、輸出入、陳列が禁止されている。児童ポルノをダウンロードして保存することは所持にあたる可能性がある。今回は違法だと気づいて消去していることから、正しい対処ができていると考えてほしい。今後は二度と同じことを繰り返さないことが大事である。
ポイント
インターネット上で動画や写真を共有するアプリでのトラブルである。この事例では、動画を見るにはパスワードが必要であり、解除するまでどんなコンテンツが保存されているのかわからず、不適切なコンテンツに出会ってしまったと思われる。このことから、悪意のある行為に巻き込まれないためにも、インターネットから興味本位でファイルなどをダウンロードするのは避けたほうが良い。特に児童ポルノはアップロードすることもダウンロードすることも違法性が高いことを理解してほしい。
相談内容(2018年8月・青少年女子)
家族共有のタブレットを利用していたらウイルス検出画面が出てしまい、指示されるとおりにアプリをインストールしてしまった。すぐにアンインストールしたが、問題ないかどうか教えてほしい。
アドバイス
アプリをインストールしたときにどのような権限を許可したのかによっては、タブレットに保存されている情報(連絡先や画像など)が収集された可能性もないとは言えない。不安であればセキュリティソフトを入手してウイルスチェックをしてほしい。今後は不審なアプリのインストールはしないように注意してほしい。
ポイント
インターネットの閲覧中に突然画面に表示される、利用していないアプリやソフトのウイルス警告は、偽警告と呼ばれ、実際にはタブレットやスマートフォンがウイルス感染したのではなく、利用者にアプリをインストールさせることを目的としているケースが多い。使用中のタブレットやスマートフォンでウイルス対策アプリを利用していないのであれば、偽警告を疑い、すぐには反応しないのが適切な対応である。偽のウイルス警告に誘導されて悪質なアプリをインストールしてしまうと、本当のウイルス感染を引き起こしてしまう可能性もあるので注意が必要である。
相談内容(2018年7月・青少年男子)
アニメのサイトを見たいと思い開いてみたら、ウイルス感染を警告するメッセージと、個人情報が漏れてしまうので今すぐクリックしてアプリをインストールするようにと書かれたページに移動してしまい、とても怖くて心配。どうしたら良いか。
アドバイス
インターネット上には、ウイルス感染など偽りの警告を出してアプリをダウンロードさせたり、不正なサイトにアクセスさせようとする手口もあるので注意してほしい。画面をクリックすることでどのようなアプリがインストールされるのか、保護者の方に一緒に画面を見てもらうのが良い。また、公式マーケット以外の場所からのアプリのダウンロードは避けてほしい。使っている端末が本当にウイルス感染していないかを確認するために、ウイルス対策アプリによってチェックをすることも1つの方法である。
ポイント
実際にはウイルスに感染しているわけではないのに、警告メッセージを出すことでウイルス対策アプリをインストールするように誘導する広告が増えている。これは偽警告とも呼ばれ、アプリをインストールさせることで、アプリの提供元から報酬を得ることが狙いだと考えられている。このようにインターネット上には利用者を欺こうとする手口がたくさんある。少しでも心配な場面に出会ったら、一人で判断せずに、落ち着いて保護者に相談することが大事である。
相談内容(2015年5月・青少年女子)
携帯端末でSNSを見ているうちにURLをクリックしてしまい、アダルトサイトに繋がってしまった。18歳未満利用禁止と書かれていたので、怖くなってブラウザを閉じた。その後もう一度確認しようと思い、同じサイトを開き、今度は「18歳以上」の確認の画面で「いいえ」を選ぶと、そのサイトから離れることができた。しかし、有料アダルトサイトに入った時点で料金が発生することはないだろうか。
アドバイス
有料契約が成立するには、事業者と利用者の双方で意思確認をする必要があるので、サイトを開いただけで説明もなく料金が発生することはない。もしそのような状況になったとしても、契約は成立していないので請求は無効である。相談者は有料サイトの入口で引き返したことになる。ルールを守って「いいえ」を選んだ結果なので、何も心配要らない、これからも安全にインターネットを利用してほしい。
ポイント
有料サイトに繋がってしまったが、トラブルには発展しなかった事例である。インターネット上には落とし穴がたくさんあり、意図せず危険なサイトに誘導されてしまうこともある。そのような場面で重要になるのが、ルールを守って安全な行動をとる意識である。サイトの利用規約、年齢制限などは必ずチェックすることが大事である。ルールを無視した利用、不用意なクリックこそがトラブルに出会う原因だと言える。
相談内容(2015年4月・保護者・青少年女子)
知らない人からSNSに届いたメッセージに返事をしてやり取りを始めてしまい、携帯電話のメールアドレスを教えてしまった。相手からブログのURLが付いたメールが送られてきたが、ブログの内容を見るには空メールを送って会員登録しないといけないので、空メールを送った。返事に書かれていたとおりに誘導され、年齢などを登録した。その際、18歳以上と偽った。その後、登録完了メールが届き、出会い系サイトだったと判明した。退会するべきだろうか。
アドバイス
出会い系サイトに空メールを送信しただけで登録されていることや、18歳以上であることの身分証明の手続きが踏まれていないことから、これ以上関わらないほうが良いと思われる。退会手続きをしたとしても、メールアドレスがサイト側に伝わっているので、今後、知らない人からのメールや、迷惑メールが届く可能性があり、退会したから安心というわけではない。メールアドレスを変更していっさい関わらないことを勧める。
ポイント
知らない相手からのメッセージに反応したことで、出会い系サイトに巧みに誘導されてしまった事例である。送信元が不明なメッセージは、迷惑メールと同様に無視することが基本である。連絡方法がSNSに変わったとしても、対応は同じだということをしっかり身につけてほしい。また、18歳未満の未成年者が出会い系サイトを利用することは禁止されている。サイトのルールを守って利用することが、トラブルを回避しながら安全にインターネットを利用する基本であることも忘れてはならない。
相談内容(2014年12月・青少年女子)
ゲームサイトを利用していたときに、意図せず出会い系サイトに誘導され、気づかずにサイトに空メールを送ってしまった。メールが届いたが18歳未満は利用できないことを知り、初めて危ないサイトだと気づいた。サイトにはアクセスしなかったが、大量の迷惑メールが届いている。お金を請求されるのだろうか。
アドバイス
18歳未満は利用できないことを知り、有料であることに同意をしておらず、登録をしていないのであれば、有料契約は成立していないと考えられる。支払いの必要も退会の必要もない。ただし、最初の空メールを送ったことによって、相手にメールアドレスは伝わっている。今後もメールが届くかもしれないが、有料会員の登録の覚えがないのであれば、メールは無視をし、迷惑メール対策により不必要なメールの受信拒否をすると良い。
ポイント
空メールを送ったことにより、出会い系サイトからメールが届くようになったというトラブルである。このようなケースでは、知らないうちに出会い系サイトに登録され、利用していたという青少年も見られる。出会い系サイトでは、サイト内のメールサービスを利用するたびに課金され、予期せず高額な料金請求を受けるなどのトラブルも多い。青少年は怪しいと思ったサイトには決して近づかないこと、怪しいメールには返信をしないことが大事である。
相談内容(2013年11月・保護者・青少年男子)
息子がスマートフォンで公式有料アダルト動画サイトに登録してしまい、高額の料金請求が来たと相談してきた。息子にはとことん無視しなさい。メールも拒否してほっときなさいと言ってある。本人も反省しているがこのようなサイトをどうにかできないのだろうか。
アドバイス
このようなサイトの運営者に問題があることは間違いないのだが、サイト内に書いてある料金の説明や利用規約をよく読み、次へのステップを踏まないことでトラブルは未然に防げたかもしれない。そして、フィルタリングを利用していればアクセスを回避することもできた。より安全に、安心してスマートフォンを利用するために、フィルタリングの利用を勧める。しかしフィルタリングサービスを利用していたとしても、今回のようなトラブルを100%回避できるわけではない。少しでも怪しいサイトに入ってしまったら、すぐに前の画面に戻る姿勢を忘れないでほしい。
ポイント
不当に料金を支払わせようとするサイトが後を絶たず、インターネットの利用においても自分の身は自分で守るという姿勢を取らざるを得なくなっている。子供が一人でスマートフォンやインターネットを利用する機会が増えている現在、子供を危険から守るために、各家庭でトラブル回避のための話し合いの時間を持つことが、より重要になってきている。ネットの危険について家族全員でよく理解し、トラブルに出会ったときの対応を共有しておきたい。そして、トラブルに出会わないための物理的な予防策の1つがフィルタリングであろう。
相談内容(2013年9月・保護者・青少年)
子供が1人で動画投稿サイトにアクセスしていた際、有料登録完了のポップアップが貼り付けられた。高額な登録料を支払うように書いてある。子供は身に覚えがないのだがなぜこんな事態になってしまったのか?フィルタリングをかけるとこのような事態を防ぐことはできるのか。
アドバイス
動画投稿サイトのように見えるサイトで、アダルトサイトや出会い系サイトの登録画面に誘導されるトラブルがある。パソコンの画面に登録や請求の画面が表示され、高額な料金を請求し、さらにその画面が貼り付いたまま消えないケースもある。同じようなトラブルにあわないためにも、フィルタリングの利用が勧められる。フィルタリングとはフィルタリングサービス提供事業者が、一定の基準に従ってサイトを分類している(例:アダルト、出会い、暴力など)。その分類結果ごとに「見られる、見られない」を利用者側で設定をするもの。日々新しいサイトが作られているため、フィルタリングを利用していれば100%安全だとは限らないが、青少年にとって不適切なサイトはブロックすることは可能である。フィルタリングのほか、パソコンでウイルス対策ソフトが最新のバージョンに更新されていることもこの機会に確認すると良い。
ポイント
「東京都青少年の健全な育成に関する条例」で保護者の責務として、フィルタリングソフトウェアやフィルタリングサービスを利用することで、青少年がインターネットを正しく使用するよう的確に管理することを掲げている。つまり子供がインターネットを利用し、どのようなサイトを見ているのかを常に保護者として把握する必要がある。パソコンや携帯電話、スマートフォン等のツールを子供が使い始めたら、そこからが保護者の関心を向けるべきスタート点だと意識してほしい。
相談内容(2012年12月・学校職員・青少年男子)
学校の生徒が出会い系サイトにアクセスし、多くのメールが届くようになっている。退会したと本人は言っているが多数のメールに対処ができない様子。興味もあるため、アドレスを変更するように話しても行動に移せない。また届いたメールに返信した際にポイントがやり取りされていた。課金も発生したのではないかと危惧している。課金が発生したかどうかを知ることはできるか?
アドバイス
出会い系サイトを利用した結果、児童が犯罪に巻き込まれるケースが非常に増えている。これ以上サイトに近づかないように指導してほしい。一度メールアドレスを知られてしまうと、退会後も請求されたり、ほかのサイトに誘導するメールが送られてくる等のトラブルが増えている。危険なメールを受け取らないために、迷惑メール防止設定か、アドレス変更の対処を勧める。課金については、利用したサイトの正確な場所を確認し、サイトの料金表をもとに確認するとよい。また、出会いサイト規制法において、運営側は利用者が児童でないことの確認をしなければならない。身分証明書等を送ったかどうか、クレジットカードの登録をしたかどうかも確認するとよい。しかし、不当に高額なお金を請求する悪質な業者も増えているため、たとえ課金されている状況だとしても、支払い義務の有無がはっきりしない段階では、お金は支払わない、メールを受け取らない、受け取っても開かない、返信しないこと。
ポイント
出会い系サイト規制法における年齢確認は、児童を守るために事業者に課された義務であり、年齢確認がきちんと行われていれば児童は利用できないはずである。しかし、 占いサイトや懸賞サイトなど、無料のサービスをきっかけに、意図せず出会い系サイトに登録され、トラブルが深刻化してしまうこともある。こうした危ないサイトが存在するという知識を持ち、興味があっても近づかず、巧妙なメールにも反応しないように注意してほしい。
相談内容(2012年8月・青少年男子)
インターネット上で検索をしていて、ある画像を見つけた。そこには「この画像を1時間以内にほかの場所に貼り付けないと、恐ろしいことが起こる」というような文章が書かれてあった。どうしたらいいのか?
アドバイス
このような書き込みは悪質ないたずらであり、恐ろしいことは何も起きない。書かれていることは、読んだ人の不安をあおることを目的としたいたずらである。怖がって別の場所に貼り付けてはいけない。ほかの場所に貼り付けることによって、それを見たほかの人をまた怖がらせてしまうことになる。ほかの人がさらに別の場所に貼り付けてしまうと、その画像と文章がどんどん増え、怖い思いをする人が増えてしまう。迷惑行為に加担しないためにも、画像も文章も無視してあなたの所で止めてほしい。
ポイント
怖い画像や文章で読んだ人を怖がらせ、別の場所にさらに広めようとするのは迷惑行為である。いたずらの書き込みだと思わずに信じて不安を感じてしまう青少年は多いが、別の場所に広めることによって自分自身が迷惑行為をしてしまうということを理解する必要がある。このような画像や文章を見たら、ひとりで判断せずに周囲の大人に見てもらうことが大切である。大人は、対処方法とともに、インターネットを利用するうえでのルールとマナーを適切に指導できることが望ましい。
相談内容(2012年6月・青少年女子)
ケータイ小説サイトに出ていた広告から在宅ワークのサイトに入り、登録した。登録時に氏名、メールアドレス、電話番号を入力した。その後、電話があり住所、仕事ができる時間帯などを聞かれたが答えずに切った。パソコンでその運営会社の情報を調べると、詐欺サイトだという情報が多数見かり、怖くなった。住所を調べられないか不安。
アドバイス
インターネット上で、その運営会社の副業詐欺の被害情報を確認。すぐに気がついたのは幸いであり、サイトと関わらなければ心配ないと伝えた。メール、電話の受信拒否、心配であればアドレス変更で対処することを勧めた。サイトに伝えた個人情報から住所が特定される可能性は低いこと、この種の相談は多数寄せられていることを話すと安心したようだった。
ポイント
インターネットの世界では個人情報と呼ばれる氏名、メールアドレス、電話番号、住所等に高い価値があるとされている。従って個人情報を手に入れる目的で、いろいろな仕掛けが設けられているのを常に意識しなければならない。個人情報を入力する場面に出会ったら、慎重な姿勢が必要であり、自分だけで判断できない場合は必ず周囲の人に相談する習慣を持つべきであろう。
相談内容(2012年5月・青少年女子)
小説サイトで、続きが読みたい場合は登録をするとパスワードが発行されるようになっていた。パスワード発行のURLをクリックすると登録画面になり、名前とメールアドレスを入力したのだが、直後から、気持ち悪いメールがくるようになり、退会の手続きをしたら1カ月かかると返事があった。怖くなってメールアドレスを変更した。サイトの利用規約を見ると、18歳未満はメッセージのやり取りができないと書かかれており、そのサイトは出会い系のようである。利用していないが、ポイント制と書かれており、お金を払わなければいけないのかも心配である。
アドバイス
出会い系サイトは法律で18歳未満の利用を禁止しており、利用してはいけないこと、登録時に年齢確認もなかったようなので、正しく運営されていないサイトであることを説明。利用規約を読んでも、どのように料金を支払うのか書かれていないので、料金を支払うすべもなく、メールアドレスと氏名しか伝えておらず、メールアドレスを変更しているとのことなので、今後は無視をするようにと助言。退会などの問い合わせをすると、せっかく変更したアドレスをまた知らせることになるので連絡もとらないように、また今後は安易に個人情報を入力しないよう助言した。
ポイント
出会い系サイトへ近づかないように注意していても、そこへ誘導する仕掛けが潜んでいる事例。懸賞・着メロ・ケータイ小説・占いなど、登録は無料だからと思いメールアドレスを登録すると、途端に迷惑メールが大量に届く場合がある。トラブルにあわないために届いたメールは即刻削除に徹するのが大切である。さらに決して相手に連絡をとらないことも覚えておくとよい。
相談内容(2012年3月・青少年女子)
メールをするだけで1時間5000円位稼げるという小遣いサイトを見つけた。しかしサイトでメールするとお金を取られた。儲かる話しばかり持ちかけてくるが、意味もなくお金を使わされる。
アドバイス
小遣いサイトはたくさんあるが、個人情報を集めることが目的だったり、ほかの出会い系サイトに誘導してお金を使わせるといった悪質なサイトも増えている。怪しいと感じたら、さらなるトラブルに発展させないためにも利用はやめたほうがよい。
ポイント
小遣いサイトへは、ブログや占いサイト、迷惑メールなどがきっかけで誘導される。一見すると怪しいサイトには見えないこともあるが、運営会社、利用規約、年齢制限、プライバシーポリシーなどをよく読み、慎重に行動しなければならない。ネットに限らず、青少年が安易に小遣いを稼ごうとする行為には危険が伴う。一人で行動せずに保護者に判断を求めることが家庭内ルールとして徹底されているとよい。
相談内容(2012年2月・保護者・青少年女子)
娘に携帯電話を持たせ、フィルタリングをかけてルールを守って使わせていたが、夜中に頻繁にメールが来るようになり、見てみると男子からのメールで、下半身だけの写真の交換をしていた。普段から厳しく注意していたにも関わらず言うことを聞かないので携帯電話は取り上げた。すると今度はPCで裸の写真の投稿サイトを見ている。以前はPCにパスワードをかけて子供だけではログインできないようにしていたが、勉強用にインターネットを利用しており、親も留守にすることが多くなったため、パスワードを解除していた。パソコンでも携帯電話と同じように閲覧制限をかけることはできないか?
アドバイス
PCの閲覧制限について説明した。各社が提供しているフィルタリングサービスの特徴を比較して、家庭に合ったものを選ぶとよい。相談者は普段からネットの危険について子供に注意しているが、「危機感をもって聞いてくれない」とのこと。厳しく制限しすぎるとトラブルにあったときに親に話せなくなる子もいるので、困ったときにはひとりで抱え込まないようにという指導も必要だと話した。
ポイント
メールでのわいせつな写真の交換や有害サイトの閲覧は、ケータイ使用ルールの徹底、パソコンでのフィルタリングの導入など、子供に持たせる機器を保護者が管理し、使用状況を見守ることで防げることである。そのためには保護者が正しい知識を持っていることが不可欠である。正しい知識に裏付けられた指導によって、子供にも自覚と責任が芽生えることが望ましい。
※青少年の裸の画像の問題のアドバイスは、性的トラブルの相談事例項目に詳しくございます。
相談内容(2012年1月・青少年・女子)
携帯の副業サイトに登録したところ、後で出会い系サイトだと分かった。大量のメールが届き、何人かの男性のメールを閲覧したり返信してしまい、ポイント料金を請求され、数万円を銀行振り込みで支払った。銀行の口座番号も教えてしまった。口座を教えたのはまずかったと思い、口座の解約に行く予定である。メールアドレスも変更した。その後はメールは来なくなったのだが、サイトの人が家に取り立てに来たり、警察が捜査に来たりしないか不安。
アドバイス
メールアドレス変更後は支払い催促のメールは届いていないとのことだったので、自分から連絡をしなければ、今後はもう何も起こらないと説明した。未成年の出会い系サイトの利用は禁止されており、今後は2度と利用しないように注意した。副業サイトのほか、懸賞サイト、占いサイトなど、メールアドレスが収集される場面は多数ある点も説明した。支払ってしまったお金については、国民生活センターにぜひ相談してほしいと話した。
ポイント
副業サイトだと思ってアクセスした結果、出会い系サイトの利用につながってしまった事例。副業サイトを安易に利用してしまった点は反省すべきだが、悪意を持った大人がこのような判断能力が十分でない青少年をトラブルに追い込んでいることも事実である。保護者に話せずにお金を振り込んでしまうことや、さらなる危険から子供を守るためにも、普段から家族でネット利用について話し合う機会を持ってほしい。
相談内容(2011年12月・青少年・女子)
掲示板で怖い書き込みを見た。内容は「この文章を見た人には、身の回りでとても悪い事が起こる。悪い事を起こさないためにはこれと同じ文を違う所に5回書き込んでください」というもの。悪戯だとは思うが不安である。前にもこの文章を見た後にいやなことがあった。これは、文章を見たことが幽霊にばれたのではないかと思う。両親は悪戯なので気にするなと言うが本当のことを知りたい。
アドバイス
掲示板内の書き込みを確認し、やはり悪戯だと回答した。ネット上では誰もが思ったことを自由に書き込めるので、面白半分で無意味なことを書く人も大勢いると説明した。もちろんいけないことだから真似はしないようにと伝えた。この掲示板への書き込みには幽霊の仕業という根拠がなく、悪戯と考えてよいと話した。
ポイント
チェーンメールと同様に、見た人の不安を煽り、不適切な書き込みを広めようとする悪戯にあった事例。この相談者のように、悪戯の書き込みだと思わずに信じて不安を感じてしまう青少年は多い。ネット上では匿名性を利用して面白半分に書き込む人もいることや、そのような場面に会った場合の対処をしっかりと身につける必要がある。
相談内容(2011年5月・保護者・青少年男子)
青少年に悪影響を及ぼすような内容のブログを見つけた。そのブログを閉鎖してほしいと、運営会社に何度も報告したが閉鎖されず、削除依頼にも対応しない。運営会社の電話番号の記載もない。どうしたら削除できるのか。
アドバイス
法律違反、サイトの利用規約に反しているのであれば削除は可能であると思われるが、基本的にはサイト運営会社で判断がされる。書き込まれている内容がモラルの問題であれば削除は難しいと伝えた。なお、対策として、子供に見せたくないサイトは、フィルタリングを導入することでアクセスを防げることを説明した。また、インターネット上のサービスは電話番号を記載していないところも多くあり、メールでのお問い合わせが一般的であることも説明した。
ポイント
保護者から見て子供たちに悪影響を及ぼすと思えるサイトについて厳しい意見を寄せてくる事例が見られる。その場合、明らかに違法であれば削除は可能であると考えるが、はっきりと断定できず、保護者の不安が募る例が今後も増えると考えられる。そのような場合には、パソコンやケータイのフィルタリングを活用することで、有害情報から青少年を守ることも1つの解決方法であることを勧めていきたい。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。