相談事例
個人情報関連
相談内容(2023年7月・青少年女子)
SNSに自分で載せた写真に、誤って荷物の送り状が写り込んでいた。送り状には電話番号などの個人情報も載っていた。友人に指摘されて気づいて写真を削除し、公開アカウントから非公開にしたが、数時間載せていたためすでにかなり閲覧されていた。
アドバイス
インターネットに一度でも載せて知られてしまった情報を完全に消すことはとても難しく、情報がどのように使われるのかも自分ではコントロールできなくなってしまう。電話番号については、今後もしも不審な電話やメッセージが届いたときには、着信拒否などで対応してほしい。保護者や家族にも相談して全員で対応を話し合っておくことを勧める。
ポイント
何気ない1枚の写真の中にもたくさんの情報が詰まっている。被写体の背景に写っている建物や看板、道路標識などからは撮影場所が特定されやすく、室内であれば、衣類、書類、小物からプライベートが推測されることもある。特にSNSの公開アカウントに載せる写真は誰でも閲覧できてしまうため、どんな情報が伝わる可能性があるかを確認しながら、個人情報をしっかり守ってほしい。
相談内容(2023年3月・青少年女子)
占いサイトを利用しようとして生年月日や名前などを入力してしまった。個人を特定するような情報は入力していないが、特定されてしまうのではないかと不安になった。
アドバイス
サイトに入力した情報がどのように使われるのかは、プライバシーポリシーや利用規約の中で説明されているのが一般的であるため、利用したサイトを確認してほしい。もしも個人情報が意図しない使われ方をしていたら、そのときに対応を考えていくことになるが、自分自身で入力していない限り、個人を特定できるような情報はサイト側には伝わっていないと考えられる。
ポイント
利用したいサイトを見つけたときには、その運営会社の情報をよく確かめて、信頼性や安全性を判断することが大事である。しかしどのようなサイトにも情報漏れや不正アクセスのリスクはあり、100%安全という保証はないと考えてほしい。個人情報を入力するようなサイトを利用するときには、それが本当に必要な情報なのかをしっかり考えてほしい。
相談内容(2022年11月・青少年女子)
SNSで知り合った人たちと通話をしていたときに、身近な友達と話している気持ちで学校のことを話してしまった。相手は良い人だと思うが、顔が見えないので怖い。学校名や本名を特定されないか不安になった。
アドバイス
相手に伝えた情報を取り返すことはできない。また、伝えた情報から個人を特定するのか、しないのかは相手次第であり、個人が特定できるとも限らない。このため、もしも何か起きたら、そのときに適した対策をとっていくことになるだろう。今後はよく知らない人にはプライベートな話しをしないように気を付けてほしい。心配事を増やさないために、相手とやり取りを続けないことや、相手をブロックすることも対策の1つである。
ポイント
インターネット上で知り合った人とのコミュニケーションは気軽な反面、個人情報を教えてしまうとそれが不安の種になってしまうこともある。自分に関することを誰にどこまで伝えて良いかルールを作り、それをしっかりと守って付き合う必要がある。また、インターネット上では複数の情報の断片をつなぎ合わせることもできてしまうので、利用しているSNSの投稿内容を日頃から見直しをしておくと良い。
相談内容(2022年9月・青少年男子)
誰でも参加できるチャットグループで会話をしていた人を、間違えて友達登録してしまったのでブロックして削除した。プロフィールや名前は個人を特定されないように設定していたが、モザイクを入れた写真を送っていた。個人情報を知られていないか心配になった。
アドバイス
自分自身がどのようなメッセージや写真を送ったのかを再度振り返ってみてほしい。伝えた情報を紙に書き出してみるとわかりやすいだろう。それを見て、相手に伝わっている情報から個人を特定することができそうか、保護者にも一緒に見てもらってほしい。個人を特定できるほどの情報を自分から伝えていないなら、特定は難しいと考えて良いだろう。相手をブロックして削除したのも正しい対応である。
ポイント
個人情報には実名のように個人を指すものと、単体では誰のことかわからなくても組み合わせることで特定できるような情報がある。たとえば、同じ名字の人はたくさんいるが、学校名や部活などのプロフィールが加わることで誰かを特定できてしまうことがある。インターネット上で知らない人が集まる場所では、トラブルを避けるために自分のことを発信するときには慎重になってほしい。個人情報の投稿や交換が利用規約で禁止されているサービスもあるため、利用規約をよく読み、自分自身でもルールを決めておくのが良いだろう。
相談内容(2022年6月・青少年男子)
匿名のグループチャットで知り合った人と他のアプリでも個々に会話をして、顔写真を送ったり性的なチャットをしてしまった。今はとても後悔している。何も起きていないが、相手とはもう連絡が取れず、いつか顔写真やチャット内容がインターネットに載せられたりしないか不安になっている。
アドバイス
写真や動画を含め一度相手に送信した情報を相手の手元から消したり、取り返すことは難しい。渡した写真などが今後どのように使われるのかは、相手次第であり、その利用を止めることも難しい。自分の手を離れてしまった以上は、自分でコントロールができないことを理解してほしい。今後、もしもインターネット上に情報が掲載されていることがわかった場合には、削除依頼などで対応していくことになる。万が一に備えて、相手のことでわかっている情報や、やり取りの履歴が残っていれば、消さずに残しておくことを勧める。
ポイント
インターネットやSNSを通じて仲良くなった人とのやり取りで気を付けてほしいことは、個人情報を安易に教えないことと、言葉遣いである。顔写真も個人の特定につながりかねない情報であるため、後悔しないためにも、安易に他人に渡すことは避けたほうが良い。性的な会話も、1対1の個人同士の会話であったとしても、スクリーンショットなどを通じて不特定多数に見られてしまう可能性もゼロではない。しかし、プライベートな会話を本人の許可なく公開することもルールやマナーに反する行為となるため、インターネットに載せられてしまったときには削除に向けて対処していくことになる。
相談内容(2022年2月・青少年女子)
インターネットを見ていたらサプリの広告画像が出てきた。ルーレットに参加すると無料で商品がもらえると書いてあるが、怪しいと思う。個人情報を記入しても大丈夫だろうか。
アドバイス
無料の商品を目当てにメールアドレスや個人情報を記入してしまうと、その情報が事業者側に登録されて、宣伝のメールが増えることも考えられる。記入して良い情報かどうか保護者にも相談してほしい。もし誤って記入してしまったら、サイトの説明をよく読み個人情報の登録解除などの手続きが用意されているか確認することを勧める。また、心当たりのない発信元からのメールが増えたときには、受信拒否など迷惑メールの対策をすると良い。無料、プレゼント、当選、などの言葉があっても安易に個人情報を入力することはぜず、よく考えて周囲の大人などに相談してほしい。
ポイント
インターネットを見ていると「無料サンプル」や「プレゼント当選」といったキャンペーン情報が表示されることがある。こうした情報は、お客を増やすための広告の場合もあれば、メールアドレスや個人情報を収集する「おとりサイト」に誘導される場合もあり、迷惑メールの原因になることもあるので注意が必要である。個人情報を入力するように求められたときには、その情報がどのように使われるのかについて、サイトのプライバシーポリシーなどをしっかりと確認する必要があり、よくわからないときには入力せずに、かならず保護者と相談することが大切である。
相談内容(2021年12月・青少年女子)
匿名で参加できるグループチャットのプロフィールに本名を入力してしまった。そのグループチャットで知り合った人に自分が写っている写真を送ってしまった。相手から会いに行くと言われて、住所などは伝えていないが不安になった。
アドバイス
写真や名前が知られたとしても住所まで特定されたとは限らず、相手が言っていることも本当かどうかはわからない。冷静に考えられると良いが、不安がある相手とはこれ以上かかわらないのが安全だろう。住所を知られたかもしれない心配が残るようであれば、保護者にもお話したうえで、日常生活の中で気を付けるべき点について最寄りの警察署に相談してみることを勧める。
ポイント
面識のない人とも匿名で気軽に対話ができるアプリやサービスがたくさんあるが、安全に利用するためには、相手に伝えて良い情報、伝えないほうが良い情報をしっかりと線引きし、顔写真も含め個人情報やプライバシーは自分自身で守っていくことが大事である。単体では個人を特定できない情報だったとしても、別のSNSやブログなどに載せた写真や情報をつなぎ合わせることで個人にたどり着くこともあり得る。気が合うと思った相手が、個人情報を教えた途端に態度が変わってトラブルになることも多いので注意してほしい。
相談内容(2021年10月・青少年女子)
匿名のグループチャットで知り合った人に顔写真を送ってしまった。高校生らしいが本当かどうかはわからない。送ったことを後悔している。顔写真を相手が保存していないか心配だが、すでにブロックされているのでどうしたら良いか。
アドバイス
送信してしまった写真や情報を取り戻すことは難しく、相手が保存したかどうかもわからない。どのように利用されるのか、利用されないのかは相手次第となってしまうことを理解してほしい。今後、万が一その写真がインターネット上で勝手に使われたりした場合には、削除に向けての対応をしていくことになる。これからはインターネットで知り合った人に個人が特定できるような情報を伝えないこと、インターネット上で発信した情報を取り戻すことは難しいと理解した上で、安全な使い方を考えられると良い。
ポイント
1枚の顔写真だけから個人を特定することは難しいかもしれないが、大丈夫だろうと思って安易に他人に渡してしまうことは避けてほしい。その他、自分やお友達がSNSやブログなどに別々に投稿した写真や動画、文章等からも、情報をつなぎ合わせることで個人を特定されてしまうことがある。トラブルに発展させないため、自分が載せている情報と公開範囲の設定を見直すとともに、日頃から投稿する内容にも注意を払って安全に利用することを心がけてほしい。
相談内容(2021年8月・青少年女子)
オンラインゲームで知り合った人と趣味が合い、SNSやメッセージアプリでもやり取りをしていた。お互いに名前や連絡先を教え合い顔写真も送った。トラブルは起きていないが、将来悪用されないか心配になった。
アドバイス
相手に一度でも写真や個人情報等を送ってしまうと、それがどのように使われるのかは、相手次第となってしまう。自分の手を離れてしまうことで、自分ではコントロールできなくなることを十分に理解してほしい。今できることは、相手に写真や個人情報を手元から削除してほしいとお願いすることだろう。現在の心配について相手に打ち明けてお互い削除する約束をすることもできる。しかし、相手との関係性によっては、そのことで仲が悪くなることもあるかもしれない。このため、保護者にもお話しして助けてもらってほしい。
ポイント
インターネット上で趣味が合う人と出会って友達になることは、楽しいことばかりではなく、連絡を取り続けなければ友人関係の継続が難しかったり、突然連絡が途絶えてしまうこともあるだろう。これが身近な知り合いや学校の友達との関係と大きく違う点かもしれない。相手に伝えた個人情報がどうなるのかが相手次第となってしまうのは、インターネット上だけの関係でもリアルな関係でも同じであるが、インターネット上だけの関係であれば、所在がわからないなど何かあった時にできることが限られてしまう。このような心配を抱えないために、オンラインゲームやSNSは正しい年齢で登録し、知り合った人に教えて良い情報、教えてはいけない情報をしっかり理解したうえで安全に利用してほしい。
相談内容(2021年5月・青少年女子)
画像を使ってAI診断をするサイトで、友達や自分の画像を診断のためにサイトに送信してしまった。送信した画像がサイトの運営会社によって悪用されないか不安。
アドバイス
送信した画像が運営会社によってどのように使われるのかについては、一般的にサイトのプライバシーポリシーに詳しく説明されている。まずはしっかりと個人情報の取り扱いの説明を読み、疑問点があれば運営会社にお問い合わせをすることを勧める。仮に、送信した画像が意図しない使われ方をしたとしたら、そのときには削除依頼をするなどの対応を考えていくことになる。このような不安を抱えないためにも、どのようなサービスを利用するときにも個人情報は自分自身でしっかりと守ることを心がけてほしい。
ポイント
顔写真などを送信するとAIによる診断結果が得られるサービスが人気である。顔写真以外にも、名前や誕生日などで診断をするものもある。気軽に遊び感覚で利用されているが、気を付けたいことは、運営側に個人情報を送信している点である。個人情報が運営側によってどのような目的で収集され、どのように取り扱われるのか、規約をよく読み理解したうえで利用してほしい。
相談内容(2021年4月・青少年女子)
過去にSNSで繋がった複数の人と1対1でトークのやり取りをしていた。中には、顔写真を求められて送ったこともある。この出来事から、写真や自分の情報がインターネット上に拡散されたりしないか不安になった。ほかにもプライベートな情報を伝えてしまった人もいる。SNSから自分の個人情報が漏れてしまうことはあるか。すでにSNSのアカウントは削除した。
アドバイス
相手が誰であっても、渡してしまった情報がどのように使われるのかは相手次第であり、悪用を防ぐことも難しい。会話の流れの中で伝えた1つ1つの情報では個人を特定できなくても、それらを繋ぎ合わせることで個人を特定できることもある。アカウントを削除したとしても、相手に送ったメッセージなどは残っている可能性もある。今後、万が一情報漏れなどが起きたとしたらそのときの状況に応じて対処していくことになるだろう。
ポイント
SNSの普及によって個人情報を探しやすくなっており、誰かに自分の写真や情報を教えてしまうと、それらの情報を手掛かりに個人が特定される可能性もゼロではない。相手がインターネット上の知らない人だとしても、秘密を打ち明けたり、プライベートな情報を伝えることは心配事を増やす原因になってしまうため避けたほうが良い。一度でも相手に伝わった情報は取り戻すことが難しいことから、個人情報は自分自身でしっかりと守ることが大切である。
相談内容(2020年11月・青少年男子)
SNSに趣味の写真を載せているが、住所や個人情報がわかるものではない。それなのに知らない人から突然SNSのダイレクトメッセージが届き、「あなたの個人情報を特定しました」と書いてあった。別の人からのメッセージには家に行くと書かれていた。ダイレクトメッセージの相手のことはまったく心当たりがない。
アドバイス
SNSに載せている写真をもう一度見直してみて、個人情報が推測できるような投稿がないか確認することを勧める。誰が何の目的でメッセージを送ってきたのかはわからないが、知らない相手なのであれば返信はせずに無視しているのが良い。もしも不審を感じたり、知らない人が自宅を訪ねてくるようなことがあったら、警察に相談するなど実際に身を守る対応をしてほしい。
ポイント
SNSによって趣味や交友関係が広がる一方、常にリスクも潜んでいることを忘れないでほしい。1つ1つの写真や投稿に個人情報が含まれていなかったとしても、映り込んだ風景や複数の投稿をつなぎ合わせることで個人情報を推測されることもある。自分だけでなく家族や身近な人の安全のために十分に注意を払ってほしい。また、公開範囲は無闇に広げずに、見てもらいたい人だけが閲覧できるように設定しておくことも大事である。
相談内容(2020年9月・青少年男子)
匿名で会話ができるチャットに参加して自分の部屋が映っている写真を送ってしまった。住所が特定されないか心配になった。
アドバイス
部屋の様子から居住地を特定するのは困難と思われるが、学校の制服や、周囲の風景、建物、文字などから居住地をある程度特定されることはあり得る。また、デジタル機器で撮影した写真には撮影場所の位置情報(経度・緯度)を記録できる仕組みがある。このため自宅など撮影場所によっては、写真の取り扱いには十分に注意が必要である。個人情報が洩れる可能性について日頃から関心を持ち、注意を払う姿勢が大事である。
ポイント
デジタル写真を撮るときに端末のGPS(位置情報)がオンになっていると、撮影した日時や場所など、撮影に関する詳細情報が記録される。日時や場所はプライバシーにかかわる情報であるため、SNSに載せたり誰かに送信するときには注意してほしい。 SNSサービスによっては位置情報などが自動的に消去されるものもあるが、投稿するときには不要な情報は削除しておくと安心である。
相談内容(2020年6月・青少年女子)
娘がSNSのダイレクトメッセージで連絡がきた人に、顔は写っていないが自身の写真や動画を送っていた。ショッピングサイトから好きな商品を選んでプレゼントすると言われて気軽に送ってしまったようだ。プレゼントは届いていない。
アドバイス
相手に送った写真、動画、個人情報について再度よく確認してほしい。相手の手元から情報を確実に削除してもらうために、まず警察へ相談することを勧める。一方、民事で解決していく方法もあり、その場合は情報開示請求を通じて相手を探すことから始めることになる。対応には弁護士などの支援が必要になるかもしれない。もしも顔が写っていないようであれば、個人の特定までは至らないと考えてこのまま相手と関わらないのも1つの解決方法である。
ポイント
写真や動画に映っている情報から、個人の特定に至る例は多い。個人の特定につながる情報を一度送ってしまうと、それがインターネット上でどのように利用されるのかをコントロールすることも難しくなるため、知らない人に安易に渡すのは危険である。今回のような経験は、インターネット上には悪意を持った人がいることを家族で理解するきっかけになるかもしれない。同じことを繰り返さないために、また、相手に渡した個人情報を取り戻すために何ができるか、前向きなお話し合いができると良い。
相談内容(2020年5月・青少年女子)
SNSに匿名で投稿していたが、もうやめようと思い、過去の投稿を削除してアカウントも削除した。しかし、投稿の中に悪口も書いていたので不安になった。インターネット上では不適切な発言をした人が個人情報を特定されたり炎上しているので、自分もそうなったらと思うと怖い。
アドバイス
インターネット上の炎上は、自分から個人情報を発信していたために起こっていることが多数である。心配の種になるアカウントは削除し、これから正しく使うことを心掛けてほしい。インターネットは完全な匿名ではないので、警察や弁護士が正式な手続きをとったり、個人でも発信者情報の開示請求が可能である。誰にも言えないことを吐き出せる場所は必要だが、インターネット上に文字として残してしまうのは避け、信頼できる家族や友人などに聞いてもらって発散するのが良い。
ポイント
SNSの良いところは、現実の世界では言いにくい気持ちを匿名で発信できることである。しかし、インターネット上では、発信した内容によっては断片的な情報を繋ぎ合わせることで個人を特定できることもある。誰かを傷つける言葉や度を超えた表現は非難の的になりやすい。発信する前に、匿名でなくても見られて大丈夫か、ルールやマナーが守られているかよく見直しをすることが大事である。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。