相談事例
フィルタリング関係
相談内容(2023年4月・保護者・青少年男子)
進学前にキッズケータイからスマートフォンに変え、利用ルールの決め方に悩んでいる。1日に利用して良い時間を決めたが、息子はスマートフォンを無制限に使いたいと言う。機能制限も設定していたが解除方法を自分で調べて設定を変えられていた。ゲームとメッセージアプリを利用している。
アドバイス
ルール作りにあたっては、保護者が一方的に決めるのではなく、子供に自主的に考えてもらうのが良い。どんなアプリをどんな目的で使いたいのかを聞き、どんなルールが必要かを家族全員で話し合えると良い。決めたルールを守れなかった場合のルール(メタルール)を決めておくことも大事である。ルールは利用状況に応じて見直すことも親子で合意しておくと良い。ルールを守りやすくする仕組みがフィルタリングとペアレンタルコントロール(機能制限)である。特にフィルタリングは、青少年が利用するインターネット接続機器での利用が義務付けられているので必ず導入してほしい。
ポイント
決めたルールを守れなかった場合のルールを「メタルール」といい、子供が自分の行動に責任を持てるように、ルールを二重構造にしておくことがポイントである。ただしSNSやゲームなど、子供にとって魅力的なサービスは無数にあり、子供の意志だけでルールを守るのは難しいため、フィルタリング、ペアレンタルコントロール(機能制限)を利用することが勧められる。利用できる時間や休止時間は、平日用と休日用を分けて設定することもできるので、うまく活用してほしい。
相談内容(2022年10月・保護者・青少年女子)
娘には連絡用にスマートフォンを持たせているが、SNSの利用はまだ許可していない。友達とのやり取りにはメールを利用しているが、部活も始めたのでそろそろSNSをやりたいと言っている。これからSNSを許可するとしたらどのように使わせるのが良いのか、ルールの決め方はどうすれば良いか。
アドバイス
大事なポイントは、SNSを利用する目的を話し合って決めることである。利用目的に合わせて時間や場所のルールを決めることと、ルールが守られなかった時のルールも話し合っておくと良い。具体的で守りやすいルールを、保護者が一方的に決めるのではなく、子供自身に考えてもらうことを勧める。フィルタリングを勝手に解除しないことも約束しておくのが良いだろう。
ポイント
SNSはフィルタリングで利用制限がかかるサービスであり、適切に利用しなければ、悪意を持った人との出会い、自画撮り被害、ネットいじめなど青少年にとってトラブルにつながる危険が潜んでいる。楽しい一面ばかりではないことを意識しながら利用する必要がある。なぜSNSを使いたいのか、目的を親子でよく話し合い、ルールも決めたうえで安全に付き合うことが大切である。
相談内容(2022年7月・保護者・青少年女子)
夏休みに入り、子供がスマートフォンでゲームをしたり動画を見る時間が長くなっている。時間制限や約束事も守りにくくなっている。1日の使用時間を子供に納得してもらうにはどうしたら良いのか。
アドバイス
時間制限は必要であり今後も続けてほしいが、保護者が一方的に設定すると反発が起きてしまうかもしれない。子供の意見を聞き、親子で納得できるルールを作ることを勧める。守れなかった場合のルールは子供自身で決めることで、責任を持つことができるかもしれない。1日の過ごし方を目に見える状況で知るために、こたエールHPに掲載されている「睡眠&生活チェックシート」を活用することを勧める。
ポイント
夏休み中は自由な時間が増え、インターネットやスマートフォンに触れる時間も長くなりがちだが、睡眠や食事などの生活習慣、課題や読書などの学習習慣を崩さないように、家庭でルールを話し合っておくことが大切である。夏休み中の1日の過ごし方の計画を立てて、インターネットやスマートフォンを使って良い時間や場所、利用するアプリ、利用するときに気を付けることなどを、子供が主体となって考えてルール化できるのが理想である。決めたルールをもとに、フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)も活用できると良い。子供と過ごす時間も増えるこの時期は、インターネットやスマートフォンとの付き合い方を親子で考える良い機会になるだろう。
相談内容(2022年4月・保護者・青少年女子)
子供がフリマアプリに出品して得たお金で、ネットショッピングで高額な買い物をしている。フリマアプリの利用は許可していない。買い物をしないルールを話し合って決めていたが守られていない。ネットショッピングを防ぐにはどうしたら良いか。ショッピングサイトのアカウントは保護者のものだが、子供が本人のスマートフォンからアクセスして買い物をしている。
アドバイス
スマートフォン側でできる対策は、フィルタリングを利用して機械的に制限をすることである。フィルタリングは子供が使う端末側に設定し、保護者は専用の管理画面にアクセスして利用状況を管理することになる。注意点として、設定を勝手に解除されないように、暗証番号などは知られないように工夫する必要がある。フィルタリングのほかにも、ペアレンタルコントロール(機能制限)によって特定のアプリや機能を制限する方法もある。ただし一方的に制限するのではなく、子供の同意も得られるように家族でよく話し合いをしてほしい。
ポイント
フィルタリングはインターネット上の不適切なサイトやアプリから子供を守る仕組みである。「青少年インターネット環境整備法」という法律によって、18歳未満が利用する携帯電話やスマートフォンにはフィルタリングの利用が義務付けられているため、進級・進学を機に子供にスマートフォンを持たせている家庭では、フィルタリングの利用について親子で一緒に考えてほしい。また、フリマアプリやネットショッピングには年齢制限があったり、保護者の同意が必要なものも多い。子供が利用して良いサービスかどうかを利用規約などで確認し、守ること・守らせることも大切である。
相談内容(2022年1月・保護者・青少年女子)
家族や友達との連絡に必要だと思いルールを決めてスマートフォンを持たせている。しかし、しばらくたつとルールが守れなくなり、解約をしようとすると反発して親子喧嘩の繰り返しが続いている。ルールは娘本人が作成したが、その内容を保護者が手直しをして決めた。
アドバイス
あらためてスマートフォンの利用ルールのお話し合いをしてほしい。その際、子供本人に宣言させることと、守られなかったときのためにルールを二重にすることを勧める。たとえばルールが守られなかったときにはスマートフォンを保護者に預けるなどである。二重のルールは罰則ではなく、約束事として必ず実施することが大事である。決めたルールを守りやすくするために、フィルタリングとペアレンタルコントロール(機能制限)、時間制限の利用も検討してほしい。
ポイント
子供にスマートフォンを持たせるときに必ず決めておきたいのが、1日の利用時間や時間帯のルールである。1日は24時間と限りがあるので、スマートフォンばかりの生活にならないように家庭でしっかり話し合ってほしい。ルールを子供が守れない場合は、ルール自体が守りにくい内容になっていないか見直しをしてみることも必要である。状況次第でルールの変更もあり得ることを約束しておくと良い。
相談内容(2021年9月・保護者・青少年男子)
学校から支給されたタブレットを利用している。最初は慎重に使っていたが、ゲームをするようになり、今は止められなくなっている。タブレットで時間制限などはできないのか。
アドバイス
タブレット自体には各種の制限をかけることができる。たとえばフィルタリングを利用することで、見ても良いサイトやアプリを制限したり、ダウンロードの制限や課金の制限などができる。ペアレンタルコントロールを利用することで、タブレットの時間制限などもできる。こうした制限は本来は保護者が設定するものだが、学校から支給されている機器なので、学校側が制限しており保護者側が設定できない可能性もある。この点は学校に問い合わせてほしい。
ポイント
学校から支給されているタブレットであっても、1日の利用時間の目安や、利用するアプリの判断は家庭ごとに異なる。保護者にとっては負担が大きいかもしれないが、学校が設定している制限のほかに、家庭でのルールや約束事も親子で決め、機器やインターネットの利用状況を見守ってほしい。ルールを守りやすくする仕組みがフィルタリングやペアレンタルコントロールであるが、保護者側で機械的な制限ができない場合には、具体的にどのようなことに困っているのかを学校側に伝え、学習目的以外のアプリをダウンロードできないような設定や、深夜・早朝の時間制限などについて検討してもらえると良いだろう。
相談内容(2021年6月・保護者・青少年)
学校より教材としてタブレットが支給された。課題やリモート学習に利用される予定だが、まだ使用するアプリや利用方法、利用ルールが決まっておらず、動画ばかり見ていて勉強に集中できずにいる。機能制限を付けてほしい。
アドバイス
配布された端末のフィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)の設定状況について、学校へ問い合わせることを勧める。学校側で制限がかけられておらず、その管理が保護者側にあるのであれば、家庭でフィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)を設定することになる。すでに機能制限をされた状態で配布されている場合には、保護者が設定の追加・変更を行うことは困難だと思われる。もし制限をされていない場合、保護者の判断で家庭のルールに沿った制限をかけても授業等に支障がないのか確認できると良い。学校で預かってもらえるのかなど個別の対応についても相談すると良いだろう。
ポイント
学校支給のデジタル端末は子供の遊び道具に使うことは想定されていないはずだが、制限がない状態では、動画、ゲーム、不適切なコンテンツにも自由にアクセスができてしまう。長時間利用や課金なども懸念されるため、フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)の利用は必須である。デジタル端末の活用はまだ試行錯誤が続いている取り組みだが、子供が安心してインターネット学習に集中できるよう、家庭で疑問や不安があれば学校へお問い合わせをしてほしい。
相談内容(2020年12月・保護者・青少年男子)
子供にPCとテレビで動画サイトを見せているが、動画サイト内を検索して成人向けの動画を見ているのがわかった。これを制限するにはどうしたら良いか?また、動画サイト以外にもアダルトサイトを見ているので制限するにはどうしたら良いか。
アドバイス
動画サイトの機能で、成人向けのコンテンツを除外する機能があるので利用することを勧める。ただし動画サイト側は、動画のタイトルなどの情報に基づいて除外していると思われ、すべて防げるわけではないので注意してほしい。アダルトサイトを制限するには、フィルタリングを利用すると良い。フィルタリングは、成人向けサイトなど子供にふさわしくないサイトへのアクセスをブロックする仕組みである。未成年者がインターネットを利用する機器には、フィルタリングを利用することが保護者に義務付けられているので検討すると良い。
ポイント
フィルタリングによって、インターネット上に無数に存在する有害なコンテンツへのアクセスを遮断することができる。保護者の見守りを手助けしてくれる仕組みだと考えて必ず利用してほしい。フィルタリングは青少年が使用する機器にソフトを導入するタイプが一般的だが、WiFiルーター側で設定するタイプなどもあるので、自宅のインターネット環境に合わせて導入方法を選ぶのが良いだろう。
相談内容(2020年11月・保護者・青少年男子)
息子がライブ配信アプリでの「投げ銭」(配信者を応援するための課金機能)を止めずに困っている。スマートフォンでは機能制限を利用しており課金はできないはずだが、自分の部屋に持ち込んで課金をしてしまうようだ。課金をしたらスマートフォンは解約するというルールを決めたが何度も破られている。
アドバイス
フィルタリングやペアレンタルコントロール(機能制限)の利用を勧める。フィルタリングは子供の年齢に適したサイトやアプリを利用する仕組みであり、法律で決められているので利用してほしい。ペアレンタルコントロール(機能制限)を利用するときには、パスワードを保護者が管理するなどして勝手に解除できないように工夫することも勧める。また、一方的に禁止するのではなく、ルールのお話し合いをし、ルールを守りやすくするための制限であることを理解してもらってほしい。これまでのルールも子供が守りやすいものになるように見直してみることを勧める。
ポイント
フィルタリングやペアレンタルコントロールを利用することで、インターネットの利用状況を把握したり、長時間利用を防止したり、子供には使わせたくない機能を制限することができる。機械的な対策は万能ではないが、時間管理の力やルールを守る力を身に付けるための手段として活用できると良い。また、使いたいアプリや機能があればその都度、子供から保護者に解除してほしいと許可を求めるステップが必要になるために、どのように使いたいのかなどを親子で対話するきっかけにもしてほしい。
相談内容(2020年3月・保護者・青少年男子)
息子がスマートフォンでフリマアプリを利用していて、家のものを勝手に出品したり、買い物をしている。スマートフォンのルールも守れず取り上げることもあるが、何度取り上げてもまた同じことが繰り返されて困っている。
アドバイス
スマートフォン側でできる対策は、フィルタリングを利用することと、ペアレンタルコントロール(機能制限)を設定して制限することである。特にフィルタリングは法律で決められているため利用してほしい。詳しくは契約しているプロバイダーや携帯電話会社にお問い合わせをすることを勧める。機械的な対策だけでなく、親子でのお話合いも不可欠である。利用したいアプリの規約を読み、未成年者の利用に関するルールも確認しながら使い方を話し合えると良い。
ポイント
青少年にも人気のフリマアプリだが、取引相手とのトラブルも少なくない。年齢に応じて保護者の同意を得て利用することが規約で定められているものも多い。保護者の同意を得ないまま利用してしまうのを防ぐ対策の1つがフィルタリングである。利用するアプリやWebサイトなどを保護者が管理することで、子供の安心・安全を守ることにも繋がるので、親子で話し合って必ず利用してほしい。
相談内容(2019年2月・保護者・青少年男子)
息子の進学が決まったばかり。合格したらスマートフォンを買う約束をしているのだが、懸念していることがある。過去にゲームにはまったことがあり、部屋に篭り昼夜逆転の生活が続いていた。ゲームで興奮すると暴力的になることもあった。使い過ぎが心配なので、時間制限やアプリの禁止方法などを知りたい。
アドバイス
購入前に再度利用ルール、親子の約束事を話し合うことを勧める。スマートフォンは親が購入して貸し出している意識を持ってほしい。子供が自由に使えるオモチャでもないことを理解してほしい。また、フィルタリングを必ず利用してほしい。フィルタリングによって利用時間の設定もできるので、昼夜逆転の生活にならないための対策になるだろう。フィルタリングの詳しい設定方法は、購入する店舗で案内してもらえるが、日常の運用と管理は保護者が行う必要がある。課金防止やパスワードの取り扱いなども保護者にしっかり管理をお願いしたい。
ポイント
「青少年インターネット環境整備法」により、18歳未満が利用する携帯電話やスマートフォンにはフィルタリングの利用が義務付けられている。保護者はフィルタリングを設定するだけでなく、子供の適切なインターネット利用を見守る役割を担っている。フィルタリングは万能というわけではないため、ルールで決めた利用時間、アプリの使い方などを子供が守れているか、保護者が関心を持ち、適切な声がけ、話し合いを欠かさないことが大切である。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。