相談事例
著作権関連
相談内容(2023年4月・青少年女子)
タブレットを利用してインターネットに掲載されていた漫画を読んだことがある。海賊版サイトが違法だと知り、その漫画のことを思い出した。もしも海賊版だったとしたら読んだだけでも違法なのか。
アドバイス
作った人の許可なく著作物をインターネットにアップロードすることは著作権侵害にあたり、法律で禁止されている。違法にアップロードされたものだと知りながらダウンロードすることも現在は違法である。閲覧する行為は現時点では著作権侵害とはならないが、作った人の権利を軽視することにつながると考えて、今後は閲覧することも避けたほうが良い。
ポイント
インターネット上のアニメや漫画が使用許諾を得て掲載されたものかどうかを判断するのは難しい。このためトラブルを避けるためにも、作品の公式サイトや正規の電子書籍サイトを利用するのが安心・安全である。作者の許可を得ずにアニメや漫画を公開している「海賊版サイト」のほか、SNSや動画投稿サイトなどにも違法にアップロードされたコンテンツがあふれている。疑わしいと思ったらサイトの規約に沿った方法で報告することも1つの対処法である。
相談内容(2022年11月・青少年女子)
学校の課題で提出するレポートの内容をインターネットで調べて提出した。インターネット上の文章をそのままコピーするのではなく、少し脚色することは著作権侵害にあたるのか。
アドバイス
他人が作成したものを勝手に利用することは、著作権法に反する可能性がある。著作権は作成した人が持っているので、利用しても良いかを聞けると良い。また、著作者によっては改変を禁止している人もいるため、その場合は文章を変更せずに扱う必要がある。心配であれば、出典元や引用元を記載し、参考にしたページ内に書かれている転載・引用の注意事項等も確認すると良いだろう。
ポイント
インターネットから簡単にコピー&ペースト(略して「コピペ」と言われる)ができる記事や資料も著作物であり、作った人が著作権を持っている。このため作った人の許可なく無断で使うことは避けなければならない。なお著作権法では、一定の条件のもとで、他人の著作物を引用して利用することが認められている。ルールをよく理解して守って取り扱うことが大事である。
相談内容(2022年8月・青少年男子)
好きな歌い手グループを描いたイラストをインターネット上で集めて、そのイラストに自作の音楽をつけて動画サイトに投稿しようと思っている。これは著作権上問題になるのか。
アドバイス
一般的に、インターネット上に掲載されているイラストの利用は「私的利用」の範囲であれば許可される。たとえばイラストを印刷して自分の部屋に貼ったり、スマートフォンの待ち受け画面にするなどは問題ないと考えられる。しかし、イラストに音楽をつけて動画サイトに公開するのは私的利用の範囲を超えるため著作権侵害のおそれがある。トラブルにならないように、著作権者から許可を得る必要があるだろう。
ポイント
インターネット上で自由に閲覧できる画像もそれぞれが著作物であり、描いた人などが著作権を持っている。著作物を「私的利用」の範囲を超えて使うときには、著作権を持っている人の許可を得る必要があることを忘れてはならない。著作物に変更を加えて別の作品を作る行為も、二次創作と呼ばれ著作権上問題になることがある。無断でインターネットやSNSに投稿することは避け、許可された範囲内で楽しむ方法を見つけられると良い。
相談内容(2022年6月・青少年女子)
メッセージアプリで購入したスタンプや、漫画のキャラクターの絵を描いてSNSのプロフィール画像に使用することは著作権の侵害にあたるのか。
アドバイス
スタンプも著作物であり著作権という権利で守られている。このため、一般的に考えると著作権侵害にあたる可能性はある。メッセージアプリの利用規約をよく読み、規約で説明されている以外の使い方はしないほうが良い。キャラクターの絵についても、描いた絵を無断使用することは著作権侵害にあたる可能性があるので、個人で楽しむ以外では使用しないほうが良い。
ポイント
メッセージアプリのスタンプは自分で購入したり、無料で配布されたものであっても、その著作権までが自分のものになるわけではない。著作権は作品を作った人やアプリの運営会社が持っていると考えて、決められたルールを守って取り扱う必要がある。自分だけが楽しむなど限られた範囲内での利用が「私的利用」として認められるケースもあるが、SNSのプロフィール画像に使うことはインターネット上に掲載されているのと同じであり、私的利用にはあたらない可能性がある。プロフィール画像の設定や変更は自由に変えられるが、作者の許可を得ていない画像や写真を選ぶことは避けたほうが安全である。
相談内容(2022年3月・青少年女子)
好きな作家の動画や音楽のファイルを家族が持っていて、それをもらった。家族も友人とのやり取りで手に入れたと聞いたが、この行為は違法になってしまうのか。詳しい経緯がわからないので、利用してはいけないものであればファイルを削除しようと思う。
アドバイス
著作権は、著作者(作った人)が著作物(作ったもの。動画など)を創作したときに自動的に発生する。著作物を利用するときには著作者の許可を得る必要がある。また、著作者は「同一性保持権」も持っており、例外はあるものの、著作者の同意なしには著作物に修正を加えることは許されていない。こうした法律があることをしっかり理解してほしい。なお、一定の要件下では、個人で楽しむ範囲(公表しない)であれば「私的使用のための複製」という特別な例外が認められている。ただし違法にアップロードされていたなど、法律に反する可能性もあるため、出所がわからないコンテンツは利用せずに削除したほうが安全である。
ポイント
動画や音楽のような身近なデータも著作物であり、著作者(作った人)の許可なく利用できる範囲は限られている。デジタルデータはコピーしたり、他人と共有することも簡単にできてしまうが、その行為が作品を作った人の権利を侵害していないか意識することが大切である。違法かもしれないと思ったら、トラブルに発展するのを防ぐために、利用を止めたりデータを削除することが正しい対応である。そのほか、インターネット上で入手できる画像やイラスト素材なども、「フリー」(無料)と書かれていても著作権によって守られている。利用規約をよく読み、ルールを守った使い方をしてほしい。
相談内容(2022年1月・青少年女子)
SNSに投稿されていた作品をトレースして自分のアカウントに載せていたところ、作者の人に知られ、SNSのダイレクトメッセージで連絡があった。削除して謝罪したがすぐには許してもらえなかった。自分のアカウントに謝罪文を載せることを求められたが、すでにアカウントも削除してしまい謝罪文の掲載はできない状態になってしまった。
アドバイス
他人の作品をトレースして作者に無断でSNSに公開することは、著作権上問題となる可能性がある。相手に謝り、許してもらえるように対応することを勧める。解決に向けては、インターネットを通じた文章だけのやり取りはとても難しいため、身近な大人にも相談しながら、より丁寧な言葉遣いをするように心がけてほしい。
ポイント
インターネットやSNSを利用するときに知っておいてほしい重要な法律の1つが著作権法である。著作権制度では、画像、映像、音楽、文章などあらゆるものが保護の対象となるため、インターネット上で簡単に手に入ったとしても、その作品を作った人の権利を守って取り扱う必要がある。自分で作ったものではない作品をSNSに載せるときには、創作した人の許可が得られたもののみとし、ルールとマナーを守ることが大切である。
相談内容(2021年7月・青少年男子)
スマートフォンの壁紙にしたい画像をインターネットで見つけたが、誰がどのようにして掲載したものなのか、出所がわからない。もしも違法にアップロードされた著作権違反の画像だとしたらダウンロードすることも違法になるのか。
アドバイス
著作者の許可を得ずにインターネット上に掲載、配布された画像だとしたら著作権侵害に当たるかもしれないため、はっきりしないままダウンロードして使うことは勧められない。著作権は「私的利用」が認められており、たとえばアニメ作品の公式ホームページから画像をダウンロードして印刷して部屋に貼ったり、自分だけが楽しむ目的でスマートフォンの壁紙にするのは「私的利用」と考えられる。著作者によっては、勝手にダウンロードすることを許可していない場合もあるため公式ホームページに書かれていることを確認してほしい。
ポイント
令和3年1月から著作権法が新しくなり、音楽や映像作品だけでなく、違法ダウンロードの対象が著作物全般(漫画・書籍・論文・コンピュータプログラムなど)に拡大された。スマートフォンの壁紙のような「私的利用」の目的だったとしても、無許可のサイトや出所がはっきりしないものは違法にアップロードされた可能性もあると考えて、ダウンロードすることは避けたほうが良い。違法ダウンロードは、作品を作った人の権利を侵害する行為となることを理解し、その作品を個人的に利用したいときには公式サイトのルールを守って利用することが大事である。
相談内容(2021年4月・青少年)
情報収集のためにSNSを使いたいと思っている。プロフィールアイコンを漫画のキャラクター画像にしても良いか。SNSは非公開にして使いたいと考えており、知らない人と繋がる目的で利用することはない。
アドバイス
著作者に無断で著作物を利用することは禁止されており、漫画のキャラクターをSNSのアイコン画像に利用することも著作権侵害となる可能性がある。著作権は「私的利用」が認められており、漫画のキャラクターを印刷して自分の部屋に貼るなど、個人で使用するだけなら著作権侵害にはならない。ただしSNSは、非公開だったとしてもインターネット上にアップロードされているものであり、「私的利用」には当たらない可能性がある。このため、SNSのアイコンに漫画のキャラクターを著作者に無断で利用するのは避けたほうが良い。
ポイント
インターネット上では漫画のキャラクター、好きなアイドル、スポーツ選手などの画像が簡単に手に入り、コピーや編集も簡単にできてしまう。しかしそれらを著作者の許可なくSNSで利用してしまうと、著作権侵害となる恐れがある。残念ながら、無断使用と思われる投稿がSNS上に多数存在しているのが現状だが、著作権侵害は法律違反であることを青少年はしっかり理解してほしい。知らないまま違法行為をしてしまわないように、イラスト、写真、文章、音楽などの作品を載せるときには、著作者の許可を得ているかどうかを必ず確認してほしい。
相談内容(2021年1月・青少年女子)
無料でアニメが見られるサイトを閲覧していたが、調べてみると違法にアップロードされたものかもしれないことがわかった。このようなはサイトは見るだけでも犯罪になるのか。ダウンロードはしていない。
アドバイス
違法にアップロードされたアニメを見るだけで違法とはならないが、ダウンロードは違法であり、刑事罰の対象となる場合もあるのでしっかり理解してほしい。法律が改正され、令和3年1月からは音楽や映像だけではなく、対象となる著作物の範囲が広がった。インターネットを楽しく安全に利用するためには、違法の可能性が高いサイトには閲覧だけであっても近づかないように心がけてほしい。
ポイント
外出自粛が続き、自宅でPC、スマートフォン、タブレットでアニメや漫画を楽しむ機会が増えているかもしれないが、違法にアップロードされた「海賊版サイト」も多いので注意してほしい。アニメや漫画には著作権があり、著作者の許諾を得ずに無断でアップロードすることは違法である。海賊版サイトを見るのは違法ではないものの、権利侵害を助長することにつながる。トラブルに巻き込まれるのを防ぐためにも利用は避けたほうが良いだろう。
相談内容(2020年10月・保護者・青少年女子)
SNSを見ていると、複数人が映っているグループ写真をプロフィール画像に使う人や、加工アプリで勝手に加工されたりするのも見かける。勝手に写真を使われたり、加工されたり、意図しないところで流出したらと思うと怖い。
アドバイス
グループ写真をアイコンにするときには、映っている人全員の同意を得るのがマナーなので、事前に同意を得る必要がある。他人の容姿を無断で加工することもマナー違反だと考えてほしい。アイコンに顔写真を使うことは悪いことではないが、顔写真も個人情報と考えて、風景やイラスト画像などを使うほうがより安全である。
ポイント
友達と撮った写真や集合写真をSNSなどインターネット上で利用するときには、写真に映っている一人一人に、承諾を得ることがマナーだと考えてほしい。載せてほしくない人が一人でもいたら利用しない、あるいは、ぼかしを入れるなどの配慮が必要である。SNSに載せる写真や動画は世界中の人が閲覧する可能性があることまでを意識して、自分や友達の権利をしっかりと守ってほしい。
相談内容(2018年5月・青少年男子)
自分のスマートフォンの壁紙にしたい画像をインターネット上から保存した。壁紙に設定する際に、画像の色やサイズを調整するための編集を行った。あくまで自分のスマートフォンの壁紙にするための編集だが、このようにインターネットから保存した画像を編集することは問題ないか。
アドバイス
著作権は、著作者が著作物を創作したときに自動的に発生する。著作者には「同一性保持権」があり、例外はあるものの、著作者の同意なしには著作物に修正を加えることは許されない。ただし、個人で楽しむ範囲であれば、問題はない。著作物を加工・編集してインターネット上に公開すれば、著作権を侵害する行為となる。編集した壁紙が自分のスマートフォンの壁紙にするためなのであれば、問題ないだろうと思われる。その壁紙をインターネット上に掲載する場合には、その著作者から必ず利用許諾を得る必要がある。
ポイント
今回の相談者について、著作物の取り扱いに関する知識を曖昧なままにしなかった点を褒めるべきだろう。大人でも見落としがちな著作者の権利について、同意なしに修正・加工できるのはどこまでの範囲なのか、正しく確認できたに違いない。身近な友達に対して、もしも他人の権利を侵している人がいたなら、今回のような相談者が正しい著作権の知識を広めてくれるきっかけを作ってくれることを期待したい。
相談内容(2018年3月・青少年女子)
SNSで同じアイドルが好きな人と交流をしている。その人がメッセージアプリを通じてアイドルの画像や動画を送ってくるのだが、それは自分が利用しても良いのか。
アドバイス
画像や動画は著作物と呼ばれ、著作物には作成した著作権者という人がいる。基本的には著作権者の許可なく利用することは法律違反である。なお、自由に使っても良いと著作権者が許可している場合もあるので、著作物によっても変わってくる。個人で楽しむ範囲であれば、私的利用と呼ばれ、許可されることもある。これらのことから、大丈夫な場合もあるとは思うが、他人からもらったものは著作権者の了承が取れていないと考え、利用しない方が安全だろう。
ポイント
インターネット上で自分が好きな画像や動画が見つかれば、それをコピーして入手するのは簡単である。しかし、どこまで利用することが許されるのかは著作権者次第であり、自由に利用できるとは限らない。利用方法によっては、作者の権利を侵害する行為となり、著作権法によって厳しい罰則が定められていることを忘れてはならない。著作権法は青少年にとっては難しい法律だが、著作者の権利を守るための大事な法律であることをしっかりと理解してほしい。
相談内容(2017年9月・青少年女子)
画像投稿アプリ内で画像を検索して、見つけた画像をスマートフォンに保存し、自分の投稿として何枚もアップロードしてしまった。そのうちの1枚は、画像を加工して投稿してしまった。これは著作権法違反にあたるのか。
アドバイス
著作者が著作物を創作したときに自動的に著作権が発生する。その著作物を利用するときには著作者の許可を得なければいけない。また、著作者の同意なしには著作物に修正を加えることは認められていない。著作物であっても、個人で楽しむ範囲であれば「私的複製」という特別な例外が認められ、著作者の許諾を必要としないが、不特定多数が見られる状況であれば、「私的複製」には該当しない。著作者の許可を得ずに無断で公開したり利用したとすれば、著作権違反の可能性があるだろう。
ポイント
青少年に人気の投稿アプリに公開されている様々な画像、映像、文章などのデータは、検索をすれば気に入った作品が簡単に見つかり、スマートフォンなどにダウンロードすることができる。気軽にコピーや転載ができるために意識が薄れがちだが、その作品は誰かの著作物であり、著作権が存在していることを忘れてはならない。著作物は、それを作成した人の大切な財産であり著作権法で守られている。他人の財産を無断で利用すれば、法律違反となることを理解したうえで行動してほしい。
相談内容(2017年6月・青少年女子)
好きなイラスト作品を動画サイトから拾い、画像加工をしてネットに投稿した。最近、そのイラストを描いた人が画像加工等を禁止しているのを知り、急いで投稿を消した。このような場合、訴えられたり、お金を請求されたりするのか?警察に報告されることはあるのか。
アドバイス
著作者の許可を得ずに、公開、無断で利用した著作物については著作権法違反の可能性がある。著作権法違反には刑事罰が定められているが、親告罪である。今回はインターネット上から削除をしたことで、訴えられる可能性は低いだろう。しかし、もし、イラストを描いた人から何らかの連絡があったときには、誠意を持った対応をしてほしい。
ポイント
インターネットに公開されている画像、映像、音楽などの作品は、簡単にコピーできてしまうため、著作物であるという意識が薄れがちだが、無断使用は著作者の権利を侵害する行為であり、著作権法によって厳しい罰則が定められていることを忘れてはならない。たとえ使用が許可されていたとしても、無制限に使用できるとは限らない。著作者がどの程度まで使用を許可しているのか、よく確認する必要がある。
相談内容(2016年12月・青少年女子)
SNSを見ていたら、自分が撮影して非公開のSNSにアップしていた写真と同じものと思われる写真を、トップ画像に使っている人を見つけた。自分の写真が無断で使われていて怖い。他にも写真が悪用されていないか心配だが、相手のアカウントは非公開なので、申請をしないと投稿内容を見ることができない。もし悪口を書かれていたらどうしようと思うと、気になって仕方がない。
アドバイス
写真は簡単にコピーができるので、非公開であっても誰かに使用される可能性はある。写真を使用した目的は分からないが、無断使用だとしたら、SNSの運営会社に著作権侵害の違反報告をすることができる。投稿内容が気になったとしても知らない人と安易に繋がるのは避けたほうが良いだろう。今後、同じような心配事を起こさないためにも、他人に使用されたくない写真は載せないほうが良い。
ポイント
自分が投稿した写真が無断で使用されていたら、誰でも良い気持ちはしないだろう。しかしこのようなトラブルもインターネットに情報を発信していれば起こり得ることである。非公開のSNSであっても、投稿内容は非公開グループ内のメンバーを介して外部に公開されてしまう可能性があり、無断使用を完全に防ぐことは難しい。この事例は被害者側からの相談だが、著作物の扱いに注意しないと、意図せず他人の権利を侵害してしまうこともあり得る。自分が被害者にも加害者にもならないために、著作権はインターネットを利用する上で知っておくべき基本知識の1つだろう。
相談内容(2016年4月・青少年男子)
過去にゲー厶プレイ画面を動画サイトに掲載してしまった。当時は著作権のことをよく知らず、悪いことだと知らなかった。著作権法違反だと知り、すぐに動画を削除しようとしたが、動画サイトを退会したため削除ができない。
アドバイス
ゲームの画面を公開することは著作物の複製に当たり、著作権者の許諾を受けずに行うと著作権侵害になる。すぐに動画を削除した方が良いだろう。サイトの利用規約をよく読み、削除の方法について確認すると良い。自分自身でどうしても削除できない場合は、サイト運営者に削除依頼をすることができるだろう。
ポイント
著作物の取り扱いは、大人でも見落としがちだが、インターネットを利用するうえで大事なことである。書籍、音楽、映像など、作品には著作者が存在し、作品の著作権を持っていることを忘れてはならない。著作物を許可なくインターネット上に公開することは、著作者の権利を侵害してしまう行為である。インターネット上で自分から情報を発信することが簡単にできるようになった現在、情報発信によって他人の権利を侵害しないために、著作権についても家庭でしっかりと話し合いができると良い。
相談内容(2015年11月・青少年男子)
以前、自分が作成した動画にCD音源をのせてインターネット上の投稿サイトに公開してしまった。問題の動画が今も残っているのか自分で消したのかは覚えていない。他人のホームページの画像や文章を載せてしまったこともある。このようなことから、著作権侵害をしてしまったのか不安。
アドバイス
音楽、ホームページのデザイン、ゲームなどの作品は著作物にあたる。著作物を利用するときにはその著作者の許可を得なければいけない。動画にCDの曲を付けてインターネットに投稿することや、インターネットに他のホームページの画像や文章を添付することについては著作権侵害の可能性があるだろう。自分が投稿した動画の場所を探すことが難しいのであれば、今後、見つけたときに削除をしたり、運営側に報告をして削除依頼をするなどの対処を考えることになる。今後も安全にインターネットを利用するために、他人が作成した画像、文章などを利用する場合には、著作者に必ず利用の許諾を取ること。
ポイント
著作権法は、インターネットを利用するうえで知っておくべき重要な法律の1つである。インターネット上ではSNS、ブログ、掲示板などを通じて、音楽、映像、文章を個人が自由に発信できるが、発信しようとしている情報の著作権がどうなっているのか、どのように扱うべき情報なのかをチェックする習慣を身に付けると良いだろう。無料のイラストなどを利用する場合も、イラスト素材を提供しているサイトの利用規約をしっかり読み、必ずルールを守って利用することが必要である。
相談内容(2015年5月・青少年男子)
動画サイトに音楽をアップロードした。著作権侵害に当たると思われる。当時は法律のことを何も知らず、多数アップロードしてしまった。それが違反につながることだとわかり削除した。しかし、もしかすると、まだ削除できていない動画があるかもしれない。見つかって問題にならないか心配。
アドバイス
他人の著作物を無断でインターネットにアップロードする行為は著作権侵害となる。著作権侵害は、著作権の所有者が訴えることで、処罰の対象にもなり得る行為である。今後は法律について理解し、同じ失敗を重ねないように反省することと、アップロードしたものを見つけたら削除をすることがもっとも重要である。自身でできる対応をしっかりと行うことが大事だろう。
ポイント
音楽、映画、テレビ番組、着メロなど、他人の著作物を無断でインターネット上にアップロードしてはいけない。著作物が無断でアップロードされたことで、著作権の所有者が本来得るべき利益が奪われてしまう可能性がある。また、違法にアップロードされたコンテンツだと知っていてダウンロードする行為も違法となるため注意が必要である。インターネットの世界にも、現実の世界と同様に守らなければいけないルールや法律がある。大きな代償を払う結果にならないように、青少年であっても基本のルールや最低限の法律知識を身に付けてインターネットを利用することが望まれる。
相談内容(2014年8月・青少年女子)
SNSでプロフィール画像として使用しているプリクラが他人のアカウントでプロフィール画像として無断転載されていた。しかもそれはアダルト系のアカウントだったので削除依頼をした。削除依頼により画像は削除されたのだが、今後、そのアカウント名で画像検索した時に写真が出てきてしまったらどのように削除依頼をすれば良いのか。
アドバイス
問題のSNSアカウントの画像はすでに変更されていることを確認した。今後、写真が別の場所で使われていることが分かった場合には、その時に対処することになり、掲載されている場所のURLを保存しておき、どのように削除依頼を出せば良いかを考えることになる。写真が削除された後も検索結果に表示されるようなことがあれば、検索エンジンへ削除依頼を出すことができる。正しい依頼方法も、その時に考えれば良いだろう。
ポイント
今回の事例は、個人でブログやホームページを開設している人にとっても忘れてはならないポイントが含まれている。他人の画像や文章を、その当事者の許可無く使用できない、これが著作権法から見ての大原則である。著作権フリーの素材もネット上に多く見られるが、その利用にあたっては必ず個々の利用規約を読んでから利用すべきである。今回は相談者のプリクラが他人のプロフィール画像として利用されていた事例だが、削除対応が行われた後も、自分のプリクラ画像が検索結果に出てくる可能性を考えると不安はぬぐい切れない。出てきたら、その時点でできるベストな対応を考えるしかない。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。