相談事例

依存

相談内容(2014年9月・保護者・青少年男子)

進学と同時に携帯電話を初めて持たせることになり、スマートフォンを買い与えた。ルールを決めて使うこととし、使用時間などを本人に決めさせ、約束を守れなかったときには没収などのペナルティも決めたはずだったが、現実には使いたい放題である。帰宅すると真っ先にゲームをやり、夜中までSNSをしていることがある。自分で決めたことなのに没収にも応じない。スマホを取り上げずに自主的にルールを守れる対策があれば教えてほしい。

アドバイス

息子さん自身が決めたルールを守れないとすると、ルールが現実的ではなく、作った意味がなくなってしまう。そもそもなぜルールが必要なのかというところから再度、見直しと話し合いをする必要があるだろう。ルールは本人に考えてもらうことを勧める。自己管理だけでなく、フィルタリングや、利用時間を設定できる機能制限を利用するなど、機械的にできる対策も有効だろう。自由に使いたいのであれば、ルールを守れることを証明しなければならない。権利と義務はセットだという認識を持ってもらうことを勧める。

ポイント

ネット依存の問題は、子供の反抗期と時期が重なるケースが多く、子供本人よりも保護者や家族が対応に悩む事例が多く見られる。ネット依存は、長時間ネットを利用することにより、本来やるべきことに集中できなくなることや、健康被害、犯罪に巻き込まれる危険性があることなどを家族で話し合い、共通の認識を持つ必要がある。生活の中で今一番優先すべきことは何かを見極めながら、インターネットとの付き合い方の見直しをすることが大事だろう。フィルタリングや機能制限など、物理的な対策をとることも有効である。

相談内容(2014年7月・保護者・青少年男子)

息子にスマートフォンを持たせたが、すぐに激しい依存状態になりどうしたら良いか悩む。スマートフォンを持たせるにあたり、利用ルールを作り、守れなかったら解約することも話し合い、夜は強制的に電源を切るようにした。にもかかわらず、ルールは無視、取り上げようとすると暴力的になる。学校から帰宅するとすぐにスマートフォンを取り出してSNSのチェックが始まり、食事中もSNSをやっている。何通もメッセージが届き、読まないといけないらしく、やめる訳にはいかないと言い、一生懸命チェックしている。だんだん精神的にも疲れているようで、気力を失くしたように放心状態になっているときがある。このままではいけないと思い、スマートフォンを取り上げようかと思うが逆効果だろうか?

アドバイス

最近問題になっている「SNS疲れ」の状態と思われた。しかしSNSは止めるわけにはいかないと主張しているのであれば、無理に止めない代わりに、勉強、睡眠、食事の時間をきちんととる、食事中はスマートフォンを触らないなど、生活するうえでの最低限のルールを守るように話し合うことを勧める。SNSもスマートフォンも生活に役立つ道具だが、それに振り回されたり、健康を損なっては意味がないので、賢く使いこなすことを考えてほしい。

ポイント

日常的にSNSを利用する人が増えたが、その使い方で悩み、トラブルを抱える人も増えている。SNS疲れという表現まである。SNSに振り回されないためには、メッセージの着信通知を一定時間休止したり、夜の時間帯は通知されないように設定するなど、工夫をすると良いだろう。あくまでも使い手は人間であり、自分達が不自由に感じる所は相手と直接会って、お互いに言葉を交わしながら最善策を考えることが大事だろう。

相談内容(2014年2月・保護者・青少年男子)

息子の携帯電話の使い方で、ずっと以前から注意してきた。食事をしている間等、母親が話していても、まったくこちらを見ることがなく、携帯電話の画面ばかり見て、メールを返すことに没頭している。その様子に対して、相手が話している時には相手の方を見る、それができないのは相手に対して失礼だとずっと注意してきたが、まったく意に介さない様子である。依存のレベルまで達しているのではと心配になることもある。

アドバイス

充電器の置き場所、使う時間帯を何時にするのか、食事中や入浴中には絶対には触らない等、細かなルール作りを勧める。依存かもしれないとの不安に対しては、こたエールのホームページで公開している「睡眠&生活チェックシート」を利用することを勧める。また息子の友人、その家族で親しくしている人がいれば、その人達から各々の家庭での携帯電話・スマホの使い方の情報を得ることも有効だろう。

ポイント

インターネット利用に関するルールがない、守れていないのであれば見直す必要があるだろう。ルールを見直す際には、親が一方的に押し付けるルールではなく、子ども自身に宣言させるルールを作ってほしい。自分で宣言したものならば、責任感も生まれるだろう。インターネットは公共の場所であるが、子どもだからと誰もが配慮してくれるわけではない。自分を守る行為の第一歩は自らルールを作り、守ることだろう。

相談内容(2012年7月・保護者・青少年男子)

息子が小遣いで携帯音楽プレーヤーを購入してきた。最初は音楽を聴く目的だったが、日が経つにつれて友達とオンラインゲームに没頭。インターネットへのアクセスはWi-Fiルータ経由である。機器にロックをかけて見られないようにして、充電器も部屋に持ち込んでいる。これからさらにゲームに熱中するあまり、勉強が疎かにならないか心配。

アドバイス

小遣いで購入した携帯音楽プレーヤーだったが、余りに没頭していたため約1週間保護者が預かり、家族で話し合い誓約書を書かせたが、現在は守られていないとのこと。早急にすべきこととして、誓約書の内容をチェックし、すべてが守られていなかったらペナルティを与えるように伝えた。Wi-Fiルータについては、フィルタリング機能を付加した製品が販売されているので検討すると良い。インターネットに接続できる機器を自分ひとりで安全に使いこなせるようになっていかなければならない。そのためには保護者がアドバイスを適宜与え、見守るべきところは見守ってほしい。

ポイント

子供が熱中しているゲームはどんなゲームか、対戦ゲームである場合にはどこの、誰と遊んでいるのか等、子供が接している環境に関して保護者は常に関心を持っている必要がある。さらに何らかのルールを親子間で取り決めたなら、それが守られているのか、守られていなければ改善すべき所はどこかを注意して見守り、常に改善する必要があるだろう。

相談内容(2012年3月・青少年女子)

ネット依存症になってしまった。パソコンがないと落ち着かない。でもそうするとあまり勉強する暇がなくなる。どうしたらよいか。

アドバイス

パソコンやネットは、利用自体は悪いことではないが、利用時間が長くなることによって、寝不足になったり、生活が不規則になったり、勉強に集中できなくなったり、いろいろ悪影響がある。何より、使ってしまった時間は取り戻せない。パソコンの利用時間について、1日を振り返って書き出してみるとよい。それだけの時間、パソコンに出会う前は、パソコンがなくても楽しく過ごせていたはずである。一度、思いきって、パソコンを保護者の方に預けてみてはどうか?少しの間パソコンから離れた生活に戻すことが必要だと思われる。自分はパソコンに振り回されない、と自信ができたらパソコンを何のために、何時間使うのかを最初に決めてから利用するとよい。

ポイント

子供だけではなく大人も、パソコンやネットにはまる人が増えている。ただ漫然と利用するのではなく、常に目的を持ってパソコンやネットに接することが何より重要である。どのようにインターネットを使いたいと思うのか、子供自身が自分の言葉で話せるような場を持つとよい。そうすることで、家庭でのルール作りのヒントが見えてくるはずである。限られた時間をインターネットに泥棒されないためにも、家族全員で一度見直しができるとよい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。