相談事例

依存

相談内容(2019年2月・青少年女子)

スマートフォンを控えようと思っているがまったく控えられていない。今度こそ止めようと思っていても、気づくとインターネットを閲覧したり動画を見てしまう。知人のアドバイスに従って時間を決めて使うことも試したができなかった。現在、絶対叶えたい目標があるのでそれに集中したいが、自分の欲に勝つことができない。好きな俳優の画像を探したり、動画が面白くてつい何本も見てしまう。目標に向かって全力を尽くしたいがどうすれば良いか。

アドバイス

目標を達成するために何をしなければいけないのか、見える形で書き出してみることを勧める。そうすることで、インターネットを自由に使える時間が1日にどれぐらいなのかを数値として出せるだろう。知人からのアドバイスがうまく効果を上げなかった原因もしっかり見極めてほしい。利用時間を制限する方法として、タイマーを設定して自分で管理することもできるだろう。家族の協力をお願いするのも良い。時間制限アプリを使うことも有効である。睡眠や生活時間の記録をとり、時間の見直しも図ってほしい。

ポイント

自分の生活がスマートフォン中心になって振り回されていると自覚できたら、それが改善への第一歩だと考えてほしい。スマートフォンは便利に使いこなす道具であって、自分の大切な時間を奪う存在ではないはずである。生活を立て直すときには、ひとりの力だけで頑張るのではなく、家族の協力を得ることも必要になる。端末を家族に預かってもらったり、一定時間が過ぎたら本体にロックがかかるように設定してもらうなど、物理的な工夫をすると、決めたルールを守りやすくなるだろう。焦らずに日常生活の小さな習慣から少しずつ改善していけると良い。

相談内容(2019年1月・保護者・青少年男子)

息子がスマートフォンを片時も手放さず、帰宅後から寝るまでスマートフォンを触っている。食事中も画面を見たままで、手放すのはお風呂のときだけ。スマートフォンを持たせた当時は、使って良い時間と場所のルールを決めて守っていた。それがだんだんルーズになり、今は明確なルールがない状態。ゲーム、動画、SNSを引っ切り無しに見ている。ネット依存症を心配している。

アドバイス

スマートフォンは保護者が購入・契約しているもので遊び道具ではないはずなので、使い方を親子で話し合い、本人にルールを考えてもらうことが大事である。曖昧になっていたルールを再度見直し、スマートフォンを持つ目的、利用時間、利用場所などのルールをもう1回決めることが望ましい。フィルタリングやペアレンタルコントロールなど、機械的な制限も有効である。それでも手に負えないと感じるようであれば、ネット依存の専門医に相談することを勧める。

ポイント

青少年の日常生活はスマートフォンさえあれば、趣味や友達との連絡、勉強や調べ物など、目的のほとんどを手元の操作でこなすことができる。便利な道具である一方、スマートフォンに時間を奪われ家族との会話が減ったり、睡眠不足が続くなど、注意が必要な側面もある。大事なことは、利用目的を明確にしてメリハリをつけて付き合えることだろう。保護者は子供が何の目的にどのくらいスマートフォンを利用しているのか、1日の過ごし方を把握し、必要であれば子供と一緒に時間の使い方の見直しを図ってほしい。生活リズムに合った利用ルールを親子で決めることができると良い。

相談内容(2018年11月・保護者・青少年男子)

息子が1日中ゲームにのめり込んでいる。時間のルールを決めても、守れるのは最初だけですぐにまた時間をオーバーしてしまう。スマートフォンが使えないときはパソコンを使おうとする。ゲームアカウントを削除したこともあるが、いつの間にかまた作っていた。課金も止めることができず使ってしまう。

アドバイス

ゲームのやり過ぎを改善するには、本人が時間や生活をコントロールできるようになる必要がある。やるべきことをやり、余った時間をゲームに使うというルールを徹底して続けていくことが大事である。ただしゲームについてはゲーム障害という病名で治療が始まっているので、自分の意志で止められない状況であれば、専門医の診察を受けることが勧められている。機械的な対策として、スマートフォンやPCのフィルタリング、時間制限、タイマーの活用なども有効である。

ポイント

自分専用のスマートフォンを持ち歩く青少年が増え、ネットやゲームへの依存を心配する保護者の相談が増えている。ゲームのやり過ぎの問題点は、生活の中でゲームが最優先になってしまい、食事や睡眠などの日常生活が乱れてしまうことである。時間の使い方にメリハリをつけてネットやゲームと付き合えるようなルール作りと、守れなかったときのルール決めをして、家族全員でルールに沿った行動をとれることが望ましい。一方、子供が何らかの悩みなどを抱えていて、現実逃避の結果としてゲームにのめり込み、時間のコントロールができなくなっているケースも多く見られるため、専門の医療機関に相談することも大事である。

相談内容(2018年10月・保護者・青少年男子)

息子にスマートフォンを持たせており、当初は部活の連絡手段として使っていたが、だんだんスマートフォンを手放さなくなった。主にSNS、動画、ゲーム、音楽で、勉強には使っていない。注意をすると反抗的になり暴言が酷い。目つきも変わってくるので依存症を心配している。家庭のルールを決めていたが、まったく守れていない。このままではいけないと思っているが、ルール決めをすることも拒否する。スマートフォンに勝手にパスワードをかけてしまい、親がチェックすることができない。

アドバイス

スマートフォンは子供が自由に使えるオモチャではなく、元々は部活や家族の連絡手段として保護者が貸し出していることを忘れないでほしい。家庭のルールを決めたら、守れなかったときのルールも明確に定めて実行することを勧める。ルールをあいまいにするのではなく厳密に運用し、他の家族にも協力してもらうのが良いだろう。

ポイント

連絡用、防犯用に使い始めたスマートフォンが、いつの間にか子供の遊び道具となり、手放せなくなっているという相談が増え、その年齢は低下している。ルールを決めていても、保護者が子供の1日を完全に見守り続けるのは難しく、本人の自覚がないまま短期間に状況が深刻化していることもある。しかし、だからこそ親子の信頼関係を築いていくことが大事である。日常のコミュニケーションを絶やさず、ルールを守らせること、守ることの大切さを家族全員で共有してほしい。

相談内容(2018年9月・保護者・青少年男子)

スマートフォンを手放せない。家に帰るとすぐスマートフォンを持ち、勉強などはすべて後回し。通話をしながらオンラインゲームをしているか、通話相手がいない時はゲーム攻略の動画、漫画を見ている。話しかけると暴言が酷い。学校に行っている時、入浴時、食事中以外は、常に手元にスマートフォンがある状態。スマホ依存だと気づかせようとしても親の言うことはまったく聞かない。

アドバイス

保護者としてできることの1つとして、スマートフォンの利用ルール、約束事についてあらためて家族で話し合いをしてほしい。スマートフォンを何のために持っているのか、家族全員で会話をすることが大事である。インターネットはとても楽しく、インターネットを通して学べることもたくさんあるのかもしれない。しかし、1日は24時間と限られている。貴重な時間をどのように使っているのか、客観的に振り返り、見直しを図ってほしい。2つ目として、機械的な制限をかけることと、フィルタリングの見直しをしてほしい。きちんとフィルタリングが機能しているかを今一度確認をしてみてほしい。時間制限の機能も有効である。

ポイント

スマートフォンは子供にとっても日常生活に欠かせない道具になりつつあり、手元にあればゲーム、動画、情報収集、友達との会話に夢中になってしまうのも自然なことかもしれない。しかし、契約者が保護者である以上、子供が自由に使えるおもちゃではないはずである。生活の中で一番優先すべきことは何かを見極めながら、スマートフォンの利用ルールを決めていけると良い。保護者は、スマートフォンを持たせたときの本来の目的を見失わないことも大切である。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。