相談事例

依存

相談内容(2017年12月・保護者・青少年女子)

子供にスマートフォンを持たせている。今はSNSが楽しいようで頻繁にSNSのチェックをしている。勉強にネットで調べ物が発生することは理解しているが、気が付くと動画サイトを見ていたりして、使い過ぎが気になる。何かあったら保護者がスマートフォンの中身を見ることは伝えてあるが、SNSにはパスコードを設定しているので見ることができない。

アドバイス

家庭で決めたルールの見直しを勧める。ルールは使い方や年齢によって随時変えていくのが適切である。勉強時間にネットをしていることが気になるのであれば、一日24時間のスケジュールを決めて、その中でネットに費やす時間を決めるのが良いだろう。アプリごとに時間設定をすることも可能である。スマートフォンの中身を見ることについては、本人の承諾を得てほしい。これは内緒で見たものに問題があった時に、注意ができなくなってしまうのを防ぐために大事なことである。親子で一緒にルールを作ってほしい。

ポイント

スマートフォンやインターネットは将来に渡って不可欠であり、勉強、仕事、生活に密着していく道具である。その利用ルールを考えることは、自分自身の大切な時間をどのように使うのかを考えることにもつながる。親子で十分に話し合い、一緒にルールを作ることが望ましい。スマートフォンの使い過ぎやネット依存を防ぐために、利用時間を制限できる機能やアプリもあるので、保護者は賢く活用し、子供が自己管理しやすい環境を整えることも有効だろう。

相談内容(2017年9月・保護者・青少年女子)

新入学時からスマートフォンを持たせている。当初は、パスワードを共有していたので、中身を見ることができたが、変更してしまい見られなくなっている。ルールでは夜の利用時間を過ぎたら居間に置くことになっているが、夜中に居間から持ち出して利用しているようだ。子供のSNSの投稿を見ると深夜に利用している。どうすれば良いのか。

アドバイス

ルールを見直して、守らせることが重要である。当初のルールを守れていない点を考えれば、スマートフォンの置き場所を変えるなど工夫も必要かもしれない。ルールは二重にしておき、守れなかった場合のルールを決めておくことを勧める。ルールを作る上では、「どんな時に、何のために使うのか」を親子で考えてほしい。学校には校則というルールがある、スポーツにもルールはある。これは皆が安全に安心して利用するために必要なもので、利用を制限しようというものではないことを理解してもらうことが必要だろう。

ポイント

スマートフォンを子供に持たせている家庭では、使い過ぎが大きな不安材料だろう。スマートフォンやモバイル端末があれば、音楽、ゲーム、勉強、友達とのコミュニケーションなど、日常生活のほとんどが1台で完結する。便利な反面、健康への影響は無視できない問題になっている。将来に渡って使い続ける道具であるからこそ、節度ある付き合い方を身につけていくことが大事である。そのためには、利用ルールについて、親子で納得の行くまで話し合ってほしい。よく話し合い、スマートフォンやインターネットと安全に付き合える環境を親子で築いていけることが望ましい。

相談内容(2017年5月・保護者・青少年男子)

動画サイトに夢中になっている。携帯電話会社のオプションで時間制限をしていたが、設定を操作し、隠れて使用していたようだ。その後、自分自身で時間を管理して行動できるように、約束をした上で時間制限を外した。学校から帰宅すると、トイレ、お風呂場、食事中も動画に夢中で自己中心的な生活になっている。以前、隠したりしたが、保護者の携帯電話を投げたり、逆に隠されたりして態度も口調も粗暴になっている。

アドバイス

現在、親子で約束しているルールを紙に書き出すことを勧める。そしてルールが守れなかった場合のルールは何だったかも書き出してみる。これは本人に書いてもらうと良い。どのルールを守っているのか、どのルールが守られていないのかが明確に分かるだろう。ルールが守られていないならば、どう直せば守れそうなのかを一緒に話し合ってほしい。ルールは一度決めたらそこで終わりではない。ルールを決めたら実施して、ルールが守られているのかを確認し、守られていなかったら改良して、再び実行する、この繰り返しが大事である。ルールの作りっぱなしになっていないかどうかを、この機会に確認してほしい。

ポイント

子供に人気の動画だが、夢中になり過ぎることで、生活ペースが乱れたり、時間を浪費してしまうといった悪影響もある。楽しい世界だからこそ、振り回されることなく、利用時間を上手にコントロールできることが大事である。利用ルールは、子供自身が時間管理を行えるようになるための第一歩であり、保護者はルールを守ることの大切さを伝える役割があると考えてほしい。依存の心配を感じたら、1日の時間の使い方を記録し、親子でチェックしてみると良いだろう。客観的に見ることで子供自身が使い過ぎに気付けることが望ましい。

相談内容(2017年3月・保護者・青少年男子)

息子が勉強のストレスで現実逃避からゲームばかりやっている。現在は、ゲームのほかに音楽も聴きたいと言うので、1日の利用時間を決めてスマホを自由に使うことを許している。しかし、何時間利用しているかまで管理するのは難しい。最初に親子で一緒に決めたルールでは、夜12時までに就寝し、その際にスマートフォンをリビングに置く約束だった。ルールを守れなかったら解約するというルールも決めていた。しかし、毎日ズルズルと利用時間が延ばされている。ルールに従って解約すると伝えると暴れ出すのでまだ実行していない。どのようにすればルールを守れるようになるのか。スマートフォンを取り上げるのが正しいのか逆効果なのか、対応に迷う。

アドバイス

親子で決めたルールを子供が守れなかったときには、ルールが適切だったのかを一緒に見直すことから始めると良い。守れないルールを作るのは現実的ではないだろう。ただし、スマートフォンは保護者の持ち物で、子供に貸し出しているものである。100パーセント本人の自由になるおもちゃではない意識を持ってもらう必要があるだろう。ダラダラと使い続けている状況であれば、メリハリをつけるために、時には保護者が預かることも必要である。時間制限のあるフィルタリングやタイマーアプリ、保護者がコントロールできる制限機能など、機械的な対策も有効である。

ポイント

新学期や新入学を迎え、初めてスマートフォンを手にする子供も増える時期である。自分専用のスマートフォンを持つことで、生活が楽しくなる反面、子供はゲーム、音楽、動画、SNSなどにのめり込みやすく、自覚症状がないまま急激に使い過ぎの状態に陥ることが多いので注意が必要である。スマートフォンもインターネットも、利用する目的を明確にしておくことが大事である。家庭で決めた目的以外の使い方をするときには、その都度、話し合いをして解決できることが望ましい。

相談内容(2016年6月・青少年女子)

通話ができるSNSアプリをダウンロードし、ユーザーとの通話で報酬を受け取れるサービスに登録をした。ユーザーから電話がかかってくると、それがランキングに反映され、ランキングが上がるとモチベーションが上がるので、続けていた。しかし、そのアプリに依存していたので、利用を止めようと思っているが、退会の方法がわからない。

アドバイス

アプリの利用規約により、退会にはパスワードの入力が必要である。パスワードがわからない、失くしたなどの状況であれば、運営会社にその旨を伝え、退会方法を問い合わせる必要がある。サービスを使う時は、自分自身の意思で登録しているはずであり、利用を停止するのも自分の意思である。利用を止めたいと思うならばその意思を運営会社に伝えてほしい。

ポイント

インターネットは「人から認められたい」、「人と繋がりたい」という人間の欲求を簡単に解決してくれるツールであり、簡単であるがゆえに依存状態に陥る側面があるだろう。膨大な人と繋がることでストレスを感じることもあるかもしれない。このように、インターネットに振り回されないために、何のために使うのかという「目的」、日常生活が乱れないよう「利用時間」を明確に決め、瞬時の満足感を求めるのではなく、自分の意思と責任でインターネットを動かし、便利に正しく使ってほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。