相談事例

性的トラブル

相談内容(2016年11月・青少年女子)

同じスポーツをしている人と知り合いたくてSNSで色々な人をフォローしていた。すると、フォローのお礼がSNSのダイレクトメッセージで届いたので返事を返し、やり取りをしていた。相手が卑猥な話をしてきたが、そのままやり取りをしていると、急に、胸の写真送ってほしいと言われた。無視をしていると、早く送らないと今までの会話をバラすと言われ、仕方なく送ってしまった。その後も、もっと写真や動画を送れと言われた。

アドバイス

送ってしまった画像や情報を取り戻すことは、ほぼ不可能だと考えてほしい。相手に渡した画像や情報がどのように使われるのかは、その人以外分からず、相手が利用するのを止めることも難しい。自分の手を離れてしまった以上は、自分でコントロールできるものではない。相手に渡した情報、相手の情報は何かを紙に書き出しておくと良い。相手とのこれまでのやり取りや連絡先は念のため消さずに証拠として保存し、住まいの近くにある警察署に相談してほしい。

ポイント

同じスポーツをしている人や趣味が合う人と出会えるのはSNSの魅力だが、インターネット上では相手が常に本当のことを言っているとは限らない。最初は楽しく接していても、それが本当の姿とは限らない。写真を送ってほしいと要求された時点で、相手から離れる勇気が必要である。SNSに潜むこのような危険な一面を青少年は理解し、SNSとどのような付き合い方が安全で望ましいのかを保護者と一緒に考えられると良いだろう。

相談内容(2016年10月・青少年男子)

過去にSNSで知り合った人と性的な画像や動画を交換した。そのSNSは現在も利用しており、最近、フォローしたいという人から連絡をもらい承認した。すると、「これはお前だろう」と過去に交換をした性的動画のスクリーンショットが送られてきた。動画には顔も写っており、SNSのアカウントも写っていたので、言い逃れができないと思い、自分であることを認めた。相手から、裸の画像を送るように要求され、送らないと動画をネットに拡散させると言われている。拡散させないためにどうしたら良いか。

アドバイス

18歳未満の性的な画像や動画は児童ポルノであり、自ら送る行為は法律違反である。児童ポルノを要求することも、児童ポルノを所持していることも法律違反である。脅す行為もまた刑法に反する行為である。これらのことから、保護者にお話しして一緒に警察に相談したほうが良いだろう。相手とのやり取りは大事な証拠になるので消さずに残しておくと良い。状況証拠が揃い、被害届が受理されれば、脅しの相手を特定することができるかもしれない。特定できたらその動画の入手先や、少なくとも相手の手元から削除される可能性がある。

ポイント

過去にインターネット上で知り合った人に渡した自分の動画が他の人の手に渡り、SNS上で自分だと特定されてしまった事例である。一度自分の手元を離れた画像や動画を取り戻すことは難しく、想像以上に広範囲へ拡散してしまう可能性があることがよく分かる事例である。1対1で交換したつもりであっても、インターネット上に公開されてしまえば、世界中に公開することと同じであることを青少年には理解してほしい。個人を特定できるような情報を、他人に安易に渡さないことがトラブル防止につながる。

相談内容(2016年9月・青少年女子)

知り合いの男性と無料通話アプリで連絡をするようになった。色々なことを言い合い、冗談で過激なことも話すようになって、冗談のつもりで下着を見せると言ったら突然脅し口調になり、早く送れと言ってきた。断ったら更に怒ってしまった。どうすれば良いのか。

アドバイス

下着姿であっても、自分で撮影して相手に提供したとしたら、児童ポルノ禁止法に違反してしまう可能性が高い。相手の行為も、18歳未満の児童に対して性的な写真を要求することは違法であり、児童ポルノを単に所持しているだけでも法律に抵触し、厳しく罰せられる。このことから、相手の要求にはきっぱり断ることが一番大事なことである。これ以上のトラブルに発展させないために、できれば保護者にこれまでの経緯をお話して、一緒に対処してもらうことを勧める。相手に渡した情報、相手のことで知っている情報等の詳細を紙に書き出し、相手とのやり取りも、スクリーンショットに残すなどして、消さずに保存しておく。それらを持って警察に相談することも可能である。保護者の方と良くお話をしてほしい。

ポイント

インターネットを通じたやり取りでは、写真や動画の交換、ビデオ通話も容易であり、異性との間では安易な気持ちから、性的な会話や過激な言動にも発展しがちである。しかし、インターネット上のやり取りも、別世界の出来事ではなく、現実生活の一部であることを意識する必要があるだろう。守るべき法律、マナー、プライバシーがある。トラブルに巻き込まれないための振舞い、危険だと感じた相手への対応も、現実の世界と同じであることを忘れてはならない。

相談内容(2016年8月・青少年女子)

ある日、ネットで知り合った男子と仲良くなり付き合うことになった。しかし、彼が胸などの写真を要求するようになったので断わり続けた。未成年なので児童ポルノに当たるのか。警察に相談したらどうなるのか。相手の男子は自分以外にも付き合っている子がいて、他の人たちにも要求しているようだ。

アドバイス

18歳未満の下着姿を含む裸の画像や映像を撮影して送信することは、児童ポルノ禁止法違反にあたる。性的な画像や映像を要求した相手の行為も児童ポルノ禁止法および刑法に抵触する可能性が高いだろう。児童ポルノを所持していることも取り締まりの対象となる。相手に渡した情報、相手のことで知っている情報を紙に書き出し、相手とのやり取りや連絡先も証拠として保存しておくと良い。今後のためにスクリーンショットなども利用すると良い。それらを持参し、保護者と一緒に警察へ相談に行くことを勧める。

ポイント

18歳未満の下着姿を含む裸の画像や映像は児童ポルノと呼ばれ、日本の法律では「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」で決められていることがある。児童に裸の写真等を要求すること、所持していることも違反であるが、児童が自分の裸を撮影し、メール等で送信する行為も違反である。このことから、裸の写真を要求された場合には、裸の写真を撮影し、送ることは法律に違反する行為であることをしっかりと認識した上で、脅されたとしても写真を送ることはせず、すぐに警察へ相談してほしい。

相談内容(2016年6月・保護者・青少年女子)

子供がSNSアプリで知らない男性とやり取りをしていた。保護者がそのやり取りを見つけてわかった。個人情報や、住んでいる地域を想像できる情報も伝えている。相手からのやり取りに性的な内容が書かれている。スマートフォンは保護者が利用していた契約切れのもの。Wi-Fiを利用しておりフィルタリングはかけていない。また、アプリの制限をかけていたが、子供が解除してSNSアプリをダウンロードしてしまった。

アドバイス

犯罪に巻き込まれるのを防ぐ対策が一番大事である。警察に一刻も早く連絡して、警察から指示をもらえると良い。ネットでは自分を詐称する人もいる。相手を安心させる経歴を書くこともあるだろう。今回、相手から性的なことを聞かれ本人も怖い思いをしたはずなので、今後は正しい使い方をしてほしい。

ポイント

ネット上で知り合った相手と現実のトラブルに発展する手前で保護者が気付くことができた事例である。フィルタリングや機能制限は子供を守るうえで必須であるが、万能ではないので、機械の仕組みだけに頼ってしまうのもまた危険である。子供自身がインターネットと安心・安全に付き合えるようになるまで、保護者はその成熟度を把握し、見守ることが大切である。危険な行為を見つけたら介入する必要があることも忘れてはならない。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。