相談事例

著作権関連

相談内容(2018年5月・青少年男子)

自分のスマートフォンの壁紙にしたい画像をインターネット上から保存した。壁紙に設定する際に、画像の色やサイズを調整するための編集を行った。あくまで自分のスマートフォンの壁紙にするための編集だが、このようにインターネットから保存した画像を編集することは問題ないか。

アドバイス

著作権は、著作者が著作物を創作したときに自動的に発生する。著作者には「同一性保持権」があり、例外はあるものの、著作者の同意なしには著作物に修正を加えることは許されない。ただし、個人で楽しむ範囲であれば、問題はない。著作物を加工・編集してインターネット上に公開すれば、著作権を侵害する行為となる。編集した壁紙が自分のスマートフォンの壁紙にするためなのであれば、問題ないだろうと思われる。その壁紙をインターネット上に掲載する場合には、その著作者から必ず利用許諾を得る必要がある。

ポイント

今回の相談者について、著作物の取り扱いに関する知識を曖昧なままにしなかった点を褒めるべきだろう。大人でも見落としがちな著作者の権利について、同意なしに修正・加工できるのはどこまでの範囲なのか、正しく確認できたに違いない。身近な友達に対して、もしも他人の権利を侵している人がいたなら、今回のような相談者が正しい著作権の知識を広めてくれるきっかけを作ってくれることを期待したい。

相談内容(2018年3月・青少年女子)

SNSで同じアイドルが好きな人と交流をしている。その人がメッセージアプリを通じてアイドルの画像や動画を送ってくるのだが、それは自分が利用しても良いのか。

アドバイス

画像や動画は著作物と呼ばれ、著作物には作成した著作権者という人がいる。基本的には著作権者の許可なく利用することは法律違反である。なお、自由に使っても良いと著作権者が許可している場合もあるので、著作物によっても変わってくる。個人で楽しむ範囲であれば、私的利用と呼ばれ、許可されることもある。これらのことから、大丈夫な場合もあるとは思うが、他人からもらったものは著作権者の了承が取れていないと考え、利用しない方が安全だろう。

ポイント

インターネット上で自分が好きな画像や動画が見つかれば、それをコピーして入手するのは簡単である。しかし、どこまで利用することが許されるのかは著作権者次第であり、自由に利用できるとは限らない。利用方法によっては、作者の権利を侵害する行為となり、著作権法によって厳しい罰則が定められていることを忘れてはならない。著作権法は青少年にとっては難しい法律だが、著作者の権利を守るための大事な法律であることをしっかりと理解してほしい。

相談内容(2017年9月・青少年女子)

画像投稿アプリ内で画像を検索して、見つけた画像をスマートフォンに保存し、自分の投稿として何枚もアップロードしてしまった。そのうちの1枚は、画像を加工して投稿してしまった。これは著作権法違反にあたるのか。

アドバイス

著作者が著作物を創作したときに自動的に著作権が発生する。その著作物を利用するときには著作者の許可を得なければいけない。また、著作者の同意なしには著作物に修正を加えることは認められていない。著作物であっても、個人で楽しむ範囲であれば「私的複製」という特別な例外が認められ、著作者の許諾を必要としないが、不特定多数が見られる状況であれば、「私的複製」には該当しない。著作者の許可を得ずに無断で公開したり利用したとすれば、著作権違反の可能性があるだろう。

ポイント

青少年に人気の投稿アプリに公開されている様々な画像、映像、文章などのデータは、検索をすれば気に入った作品が簡単に見つかり、スマートフォンなどにダウンロードすることができる。気軽にコピーや転載ができるために意識が薄れがちだが、その作品は誰かの著作物であり、著作権が存在していることを忘れてはならない。著作物は、それを作成した人の大切な財産であり著作権法で守られている。他人の財産を無断で利用すれば、法律違反となることを理解したうえで行動してほしい。

相談内容(2017年6月・青少年女子)

好きなイラスト作品を動画サイトから拾い、画像加工をしてネットに投稿した。最近、そのイラストを描いた人が画像加工等を禁止しているのを知り、急いで投稿を消した。このような場合、訴えられたり、お金を請求されたりするのか?警察に報告されることはあるのか。

アドバイス

著作者の許可を得ずに、公開、無断で利用した著作物については著作権法違反の可能性がある。著作権法違反には刑事罰が定められているが、親告罪である。今回はインターネット上から削除をしたことで、訴えられる可能性は低いだろう。しかし、もし、イラストを描いた人から何らかの連絡があったときには、誠意を持った対応をしてほしい。

ポイント

インターネットに公開されている画像、映像、音楽などの作品は、簡単にコピーできてしまうため、著作物であるという意識が薄れがちだが、無断使用は著作者の権利を侵害する行為であり、著作権法によって厳しい罰則が定められていることを忘れてはならない。たとえ使用が許可されていたとしても、無制限に使用できるとは限らない。著作者がどの程度まで使用を許可しているのか、よく確認する必要がある。

相談内容(2016年12月・青少年女子)

SNSを見ていたら、自分が撮影して非公開のSNSにアップしていた写真と同じものと思われる写真を、トップ画像に使っている人を見つけた。自分の写真が無断で使われていて怖い。他にも写真が悪用されていないか心配だが、相手のアカウントは非公開なので、申請をしないと投稿内容を見ることができない。もし悪口を書かれていたらどうしようと思うと、気になって仕方がない。

アドバイス

写真は簡単にコピーができるので、非公開であっても誰かに使用される可能性はある。写真を使用した目的は分からないが、無断使用だとしたら、SNSの運営会社に著作権侵害の違反報告をすることができる。投稿内容が気になったとしても知らない人と安易に繋がるのは避けたほうが良いだろう。今後、同じような心配事を起こさないためにも、他人に使用されたくない写真は載せないほうが良い。

ポイント

自分が投稿した写真が無断で使用されていたら、誰でも良い気持ちはしないだろう。しかしこのようなトラブルもインターネットに情報を発信していれば起こり得ることである。非公開のSNSであっても、投稿内容は非公開グループ内のメンバーを介して外部に公開されてしまう可能性があり、無断使用を完全に防ぐことは難しい。この事例は被害者側からの相談だが、著作物の扱いに注意しないと、意図せず他人の権利を侵害してしまうこともあり得る。自分が被害者にも加害者にもならないために、著作権はインターネットを利用する上で知っておくべき基本知識の1つだろう。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。