相談事例

ネットいじめ

相談内容(2016年3月・保護者・青少年男子)

あるサイトで他人が制作した画像を無許可でコピーして投稿したことで、第三者から批判されてしまった。名前と共に謝罪を要求する投稿が出され、それに同調する人もいる。またたくまに広まり炎上してしまった。サイトのルールでは、他人の画像をコピーするときには本人に許可をとることになっている。この点は反省し、サイトからはこれまでの画像を削除し、しばらく利用しないことにした。

アドバイス

作品には著作権があるので、一般的には、他人の著作物を無断で利用することはルール違反である。今回のことで、著作権のことを親子で理解し、同じ失敗を繰り返さないようにすることが一番大事なことである。今は一時的に炎上してしまったが、ネット上の批判は時間がたてば収まることもあるので、このまま静観することを勧める。学校でもいじめが起こるようなことがあれば、現実生活での対処をするべきなので、先生に相談しておくことを勧める。

ポイント

炎上のきっかけとなったのは、他人の著作物を許可なく利用してしまったことであり、今回の経験を勉強の機会として活かせると良い。インターネット上には、他人の行動をチェックし、炎上の機会をうかがっている利用者も存在する。不特定多数によるいじめ行為をエスカレートさせないために、インターネット上ではしばらく静観していることが選択肢の1つである。しかし、その影響が学校生活に及ぶケースもあり、そのような場合は学校の協力も得て、現実の世界を安心して過ごすための対処も不可欠だろう。

相談内容(2016年3月・青少年女子)

悪ふざけで、他人を中傷する嘘の書き込みをSNSに書いてしまった。すると、その書き込みが知れ渡り、悪口を言われ炎上してしまった。自分のSNSアカウントや過去の書き込みも悪口と共に広められた。迷惑なメッセージもたくさん送られてくる。怖くなってSNSを非公開設定にすると、見えるようにするためのリクエストが送られてきた。良くない書き込みをしたのが悪いのだが、たくさんの人に悪口をたくさん書かれてとても辛い。

アドバイス

インターネットは公共の場であり情報の発信には責任が問われることを認識してほしい。今できることとしては、静観して様子を見る、アカウントを消す、公開設定に戻して謝罪文を投稿するなどの選択肢が考えられる。現実に起きていること、SNSで起きていること、相手との関係性など様々な要因を総合的に考えて対応する必要があるだろう。インターネット上だけでなく現実生活での問題になるので、学校の先生や身近にいる大人にも相談してほしい。もしも個人が特定できるような情報がSNSを含め、インターネットに書かれている場合には、削除の手続きを進める方法がある。

ポイント

インターネットに他人の悪口を書くことは、現実社会で他人の悪口を言いふらすことと同じである。しかも、書いた悪口は、必ずしも簡単に消せるわけではない。誰かによってコピーされるのを防ぐことも難しい。気軽に情報発信ができるインターネット上であっても、現実社会と同じようにルールとマナーを守り、発信した言葉に責任を持つことが求められている。

相談内容(2015年9月・青少年男子)

オンラインゲームの攻略法を知るために掲示板を利用した。ある人から悪口を書かれ、最初は無視していたが、だんだん腹が立ち自分も相手の悪口を書いてしまった。しかし、同じ名前を名乗っている人が他にもいることがわかり、自分の悪口を書いた相手は別人だった。謝りたいが本当の相手がわからない。しかし相手を傷つけたままだと嫌だ。どうしたら良いか。

アドバイス

インターネットでの文字だけのやり取りでは、お互いに真意を伝え合うことはとても難しい。相手の姿が見えず、性別さえも偽ることができ、その相手がどんな人なのかも見抜くことはとても困難である。インターネット上に書き込んだ情報は、自分で書いたものでも簡単に消すことは難しく、自分の手を離れた以上、コントロールすることはできない。このようなインターネットの特性をしっかりと認識した上で、インターネットを利用すべきだろう。書き込んでしまった掲示板に個人が特定できる情報が書かれていないのであれば、今後は掲示板に近づかない対応をとるのが良い。同じことを繰り返さないように反省し、しばらくインターネットに書き込みをするのを控えると良いだろう。

ポイント

インターネットの掲示板では、お互いに顔が見えないため、言い争いになるのはよくある。人間関係やコミュニケーションに慣れていない青少年の場合は特に、相手の言葉に過敏に反応したり、相手を挑発してしまう。しかし、自分に合わないと感じたら、相手と関わらない、その場所から離れることでトラブルを回避することができるのもインターネットの世界である。このような特性も理解し、インターネット上では適度な距離を置いた付き合い方をすることが、被害者にも加害者にもならないために必要かもしれない。

相談内容(2015年2月・保護者・青少年男子)

現在は遠くに住む友達とSNSで会話をしていたが、関係がこじれてSNS上で荒らし行為をされた。このため友達をブロックしたが、同じ学校の別の友達が、そのSNSのスクリーンショットを撮って自身のSNSに掲載し、インターネット上の友達に拡散するように指示している。どうすれば良いか。

アドバイス

すでにネット上の対処だけで解決できる問題ではなくなっているので、今はSNSでのメッセージ交換は控えたほうが良い。文字だけのやり取りは難しいので、遠くに住む友達とは電話で話すことを勧める。学校が同じ友達とは、直接会って話しをするべきだろう。その際は、関係がこじれた原因について、相手の意見をまず聞くと良い。そして、その理由が理不尽なものだとしても、相手の気持ちを一旦受け入れる。その上で、自分の気持ちを相手に伝え、画像を消してほしいとお願いする。これを両方の友達にしてほしい。

ポイント

文字だけのやり取りでは、自分の思いが正確に相手に伝わらないことが良くある。それは、お互いの想像力、予測力に欠けている部分があるからかもしれない。相手が見えにくいインターネットの世界だからこそ、この想像したり予想する力が必須である。さらに今回の事例のように、リアルの世界で直接話す機会が持てる相手なら、直接会って問題点を見つけたり、相手への謝罪を述べるのがトラブル解決の一番の近道になる場合もある。

相談内容(2014年6月・保護者・青少年男子)

同じ学校に通う近所の友達が、息子の卒業アルバム写真をSNSに載せている。顔写真は現在とは感じが違うし、名前は書かれていないため気にしなくて良いのかもしれないが、この画像をそのままにしておきたくない。以前、息子はこの生徒のことで先生に相談し、生徒指導が行われたことがあった。写真を載せないでほしいのだが、対応をどうすべきか悩んでいる。

アドバイス

相手の生徒と近所であり、家庭状況もよく分かっているのであれば、相手の保護者に直接相談し、相手に削除してもらうのが一番早い対応である。息子さん自身も削除したいと思っているのかどうかも確認しながら対応すべきだろう。削除を要求することで相手を刺激し、言葉によるいじめ等がエスカレートする可能性もないとは言えない。今後、写真の掲載以外にも、SNSへの書き込みや学校生活内で言葉によるいじめが増すようならば、学校へ相談すべきだろう。息子さんの日常の様子を見守り、話し合い、息子さんがどうしたいのかを聞きながら対応すると良い。

ポイント

写真をインターネット上に載せる場合、基本的なマナーとして相手に承諾を得ることを忘れてはいけない。顔が明確に写った写真を許可なく掲載すれば、肖像権を侵害していると判断されてしまうこともあるため、十分な配慮が必要である。自分の写真を許可なくネットに掲載されてしまった場合は、今回のように、誰が写真を掲載したのか明確ならば、写真を載せないでほしいと相手に率直に伝えて問題解決に至る場合も多い。画像掲載には十分な配慮、判断が必要である。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。