相談事例
ネットいじめ
相談内容(2019年3月・保護者・青少年女子)
子供の姿が友達によって動画で撮影され、SNSに載せられた。以前からずっとそのようなことがあり、学校にも相談し、生徒たちへSNSを利用する上での注意をしてくれているが効果がない。今後このようなことが起こらないことを願うが、データはまだ相手の手元にあるので、拡散される恐れもある。どういった対処をすれば良いか。
アドバイス
動画や画像を相手が保存している限り、それがどのように使われるのかは相手次第であり、自分でコントロールするのは難しい。確実に削除してもらうためには話し合いを重ねることが大事である。本人の理解がなくては、手元から動画を削除してもらうことも、今後の利用を防ぐことも難しいためである。当事者同士でのお話し合いがうまく行かない場合は、学校の先生などにも同席してもらうと良いだろう。
ポイント
誰でも勝手に自分の容姿を撮影されたりSNSに載せられたりしない権利を持っている。その権利が守られるように、友達の理解と協力が必要である。撮影・投稿した友達にとっては悪ふざけの延長だったかもしれないが、仮に動画を拡散させたりすれば、肖像権侵害の問題に発展するかもしれず、大きな責任を負うことになってしまう。インターネットのルールとマナー、情報発信の責任を本人に自覚してもらうことが何よりも大事なことだろう。
相談内容(2018年12月・保護者・青少年女子)
娘のSNSに匿名でダイレクトメッセージが送られてきたのだが、娘のことを知っているような書き方で、下の名前を言ってきたり、不適切な内容や学校のことも含まれていた。内容から推測すると同じ学校の誰かなのだが、鍵付きで友達には教えていないアカウントだったので、娘は怖がっている。友達からはSNSを止めれば良いと言われ、今は止めている。嫌なメッセージは保存してある。
アドバイス
SNSを利用していると、匿名で無責任なメッセージを送ってきたり、迷惑な行為をする人に出会ってしまうこともある。嫌な人が現れたら、ブロックするなど相手から離れるのが良い。今回の出来事は誰にでも起こり得ることで気にしない人もいるかもしれないが、娘さんにとってはショックだったと思うので、利用を止めたのは正しい対応だろう。
ポイント
SNSと付き合う上で注意すべき点の1つは、悪意のある人に出会ってしまう可能性があることだろう。相手が誰かを突き止めるのは簡単ではないため、一方的に傷付き、時には疑心暗鬼になり現実生活が一変してしまうことさえある。このようなトラブルは自衛をしていても完全に防ぐことは難しい。ネットの世界は決して匿名ではないが、「誰だろう」と怖がることなく、無責任な行為には反応を示さず毅然としていることも正しい対処法の1つである。
相談内容(2018年9月・青少年女子)
SNSでつい感情的になり友達の悪口を書いたら、すぐに友達にバレてしまった。今は謝りたいがどうすればいいかわからず悩んでいる。
アドバイス
学校で会える相手なら直接会ってお詫びをするのが良い。相手の顔を見てお詫びの気持ちを正直に伝え、許してもらうことが大切である。直接会う相手ではないとしたら、お詫びも文字だけで伝えることになる。文字だけで伝えるときには、誤解を招くことを避けるために、実際に会うときよりも丁寧な言葉を使うことを意識してほしい。自信がないようであれば、保護者や家族に相談して一緒に助けてもらうと良い。
ポイント
インターネット上は誰でも見ることができる公の場所であり、一度発信した言葉は想像以上のスピードで広範囲に広まってしまう。思ったことをすぐに発信するのではなく、誰が見ても問題ない内容かどうかを考えることが大事である。インターネット上でのトラブルであっても、友達関係の問題はお互いに話し合いをして解決できるのが良いだろう。
相談内容(2018年8月・青少年女子)
動画投稿アプリでアンチコメントが多い。学校の友達がかばってくれているが、なかなかアンチをする人が止めてくれない。
アドバイス
インターネットに投稿している情報は、見ず知らずの人も見ている。知らない人が無責任な発言をすることも多い。状況により、自分とは合わないと感じる人とは関わりを持たないことがトラブルを起こさない秘訣でもある。ブロックの機能などを使うことも1つの選択肢である。
ポイント
自分の投稿に対して批判的なコメントを受け取ると、知らない相手からだったとしても見過ごせない気持ちになってしまうだろう。しかし、こうしたこともインターネットに情報を発信するときには誰にでも起こり得ることであり、他人の言動をコントロールすることは難しいと考えてほしい。相手が挑発するような言葉遣いをしてきても、自分に非がない場合であっても、相手に対しては常に冷静な態度で正しい言葉で対応することがインターネット上でトラブルを大きくしないコツである。
相談内容(2018年2月・保護者・青少年男子)
複数の保護者から、SNSの誰でも見られるページに息子の名前を出して悪口や「死ね」という言葉が書かれていると教えられ、スクリーンショットを送ってくれた。書いている相手はずっと仲良しだった友達で、少し前から関係が悪くなった。SNSに悪口が書かれていることを学校へ知らせるべきか悩む。SNSの書き込みは止めさせてほしいが、学校のトラブルではないので、学校への相談も躊躇している。
アドバイス
ネット上の書き込みであってもクラスでのいじめが発端であり、いじめの場所が教室からSNSに移った状況だと考えられる。このため解決には学校の先生の協力は必要だと思うので、学校への相談をためらわないでほしい。息子さんの気持ちを確認してから学校に相談するのが良い。対応としては、先生には、相手の生徒に指導してもらう、相手の保護者にSNSの管理を約束してもらうなどが考えられる。悪口や死ねなどの書き込みがスクリーンショットで拡散してしまったら消すことが難しくなり、相手の生徒にとってもリスクである。
ポイント
家庭で使わせているインターネットで問題があったとしても、インターネットはあくまでも道具であり、学校内での人間関係において起こっているトラブルならば、学校への相談を躊躇する必要はないだろう。インターネット上での悪口が消えたとしても、学校内での人間関係が必ずしも改善されるとは限らないことから、保護者1人で抱え込まずに、学校や保護者、それぞれの立場でできることをするべきである。
※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。