相談事例

取引トラブル

相談内容(2022年5月・青少年男子)

グループチャットで知り合った人とお互いが持っているゲームアカウントを交換しようということになり、個別のチャットでやり取りをしていた。しかし、ゲームアカウントを渡す段階で個人情報などを伝えることが怖くなり、交換を中止しようと相手に伝えた。すると相手が怒り、お金を支払えと脅されている。

アドバイス

相手との話し合いによって解決できるのが一番良いが、相手が話し合いに応じようとせず、脅したり、不安にさせて金銭を支払うように仕向けていることから、アプリのブロック機能を利用して相手との連絡を断つことも1つの方法である。個人情報を知らせなかったのは正しい判断である。トラブルのきっかけとなったゲームアカウントの交換はゲーム会社の多くが禁止している。利用規約に反した行為をしてしまうと、トラブルがあったときにゲーム会社に救済を求められなくなる可能性もあるので、これからは気をつけてほしい。

ポイント

インターネットを通じて、自分が欲しいものを持っている人、自分が持っているものを欲しがっている人を簡単に見つけることができるようになった。しかし個人同士の取引には交渉の難しさや、相手に騙されるなど危険な面があることも忘れてはならない。ゲームアカウントの場合は、アカウント情報を教えた直後に相手と連絡が取れなくなり、ログインもできなくなってしまう被害が多発している。また、ほとんどのゲームではアカウントの売買や交換は禁止行為とされている。禁止行為をしてしまうことでゲームができなくなってしまう可能性があることも理解しておく必要がある。

相談内容(2022年1月・青少年女子)

お小遣いがほしくてSNSで副業を探していたら、毎日数万円稼げると書かれたアカウントを見つけ、初期費用を支払わなければいけないと言われたが、始めてみたいと伝えてしまった。しかしその後、初期費用がすぐに支払える金額ではなかったため、相手からのメッセージを無視していた。すると高額なキャンセル料金を要求された。

アドバイス

相手に副業を始めてみたいと連絡したとしても、雇用契約や業務委託契約など契約書上で双方が合意をするのが一般的である。このような契約行為をしていないのであれば、契約は成立しているとは言えないかもしれない。契約が成立していなければキャンセルの必要もないので、安易に支払わないでほしい。また、民法により、未成年者が保護者の同意を得ずになされた契約は取り消しができることも参考にすると良い。

ポイント

SNS上で見かける「簡単に稼げる」といった副業の広告や勧誘には注意してほしい。SNS上の情報を信用して良いのかを判断するのは難しく、情報をうのみにしてしまった結果、高額商品を購入させられたり、出会い系サイトに誘導されるなどだまされてしまうトラブルが増えている。この事例のように、初期費用としてお金を支払わせる手口も見られる。一度支払ってしまったお金は取り戻すことが難しいため安易に信用することは危険である。SNSのダイレクトメッセージで副業を勧誘されるパターンもあるが、知らない人からの誘いは迷惑メールだと考えて無視することが安全な対応である。なお、未成年者、年少者、児童を雇用し、労働させるにあたっては、さまざまな法律で決められた保護規定や制約があるため、報酬を得る仕事をする場合には必ず保護者に相談をしてほしい。

相談内容(2021年10月・保護者・青少年女子)

子供がオンラインゲーム内でアイテム交換をしようとしたが、自分はアイテムを持っていないのに相手からもらうことを繰り返していたようだ。相手に謝罪をしたが許してもらえず、運営側に通報すると言われた。お詫びをしてアイテムを返したいが、アプリを削除してしまったのでどうしたら良いか。

アドバイス

ゲームアプリのアカウントを削除していなければ、再度ログインしてゲームを再開することができるので、相手を探すことができるかもしれない。端末の画面からアプリを削除しただけなのか、退会やアカウント削除までしてしまったのか確認することを勧める。アプリやアカウントの状況によっては謝罪や返品ができない可能性もあるが、ウソをついてアイテムを手に入れた行為は良くないことなので、同じことを繰り返さないように家庭でしっかりルールとマナーについてお話し合いをしてほしい。

ポイント

オンラインゲームのアイテム交換は、ゲーム内であっても運営会社が禁止している場合もあるので、ゲームで遊ぶ前に利用規約を親子でよく読み、理解しておくことが大事である。禁止行為をしてしまうと、利用停止やアカウント削除などの措置が取られるだけでなく、トラブルや被害にあったときに運営会社に助けてもらうことが難しくなってしまうので注意が必要である。オンラインゲーム上も、他の利用者と出会ったりコミュニケーションが生じる場所だと考えて、知らない人との取引はしないなど、安全に遊ぶためのルールを決めておくと良いだろう。

相談内容(2021年7月・青少年性別不明)

SNSでゲームのアカウントを売っている人を見つけ、ダイレクトメッセージ(DM)で連絡をとった。相手から、先に身分証を見せてほしいと言われたので身分証の画像を送ったら、直後に連絡が取れなくなってしまった。その後、身分証が別の人とのアカウント売買に使われ、ほかの人が被害に巻き込まれていることが分かったがどうしたら良いか。

アドバイス

ゲームのアカウントの売買は、大抵のゲームで禁止行為になっており、禁止行為によって不具合が起きたとしても運営側からの救済を受けられなかったり、アカウントを凍結されるなどの不利益が多い。今回のようなトラブルに巻き込まれる可能性もあるので止めたほうが良い。これ以上のトラブルを防ぐためにも、相手のアカウントがまだ存在していることから、アカウントを消去される前に証拠となる情報をまとめて警察に相談してほしい。

ポイント

オンラインゲームのアカウントの売買はリアルマネートレード(RMT)とも呼ばれ、現在多くのオンラインゲームで利用規約違反とされている。SNS上にはこのような取引を募集する投稿が多数見つかるが、規約違反となるだけでなく、顔が見えない相手の身元確認が難しいことや、個人情報を相手に渡すことなど、想像以上にたくさんのリスクがある行為だと考えてほしい。自分自身を守るためにも、ルールを守って安全にゲームやSNSを利用することを心がけてほしい。

相談内容(2021年3月・青少年女子)

好きなアイドルのグッズがほしくてSNSを通じて取引をした。先に代金を支払い、こちらから何度も連絡しているが商品が発送されない。相手の住所、氏名、電話番号などは何も分からない。お金は決済アプリを使って送金したので銀行にも相談できず困っている。

アドバイス

個人と個人の取引にはSNSの運営会社であっても関与することが難しい問題であるため、発送や返金については相手とお話し合いを続けていく必要がある。電話での連絡など、SNS以外でやり取りができる手段も探していくことになるだろう。ネットで知り合う人は、信用できる人ばかりではなく、騙すようなことをする人もいるため、これ以上の心配ごとやトラブルを避けるために、このまま断念することも1つの選択肢だが、金銭被害も起きていることから警察に相談してみることもできるだろう。

ポイント

インターネットを介した取引では、相手が信用できるかどうか、大人でも見極めることが難しく、詐欺行為も含めてトラブルが起こりやすい。この事例では、知らない人との取引に加えてアプリで送金をしており、相手の身元や連絡先を特定しにくく解決が困難となっている。このように個人間の取引はリスクが大きいことをよく理解し、入手困難なグッズやどうしても欲しい商品の募集があったとしても、安易に応じるのは避けてほしい。

※ここに掲載してある相談事例は一つの参考例として掲載したものです。
同じようなトラブルであっても、個々の状況が異なるため、解決内容もそれに従い違ってきます。